ニット
「ジャージーのドレスを作ることで、私は体を解き放ち、ウエストを締めることを止め、新しいシルエットを考えました」――ガブリエル シャネル
ガブリエル シャネルが1908年に出会い、深く愛した恋人、アーサー カペル(通称ボーイ カペル)。彼のセーターやカーディガンを借りて、その着心地のよさを実感した彼女が1914年に発表したのがジャージーのコレクション。その後、提案したウールのジャージー素材のセーターは、“体を締めつけて腰や脚などあちこちの動きを妨げる”という当時のルールを覆したばかりか、「芸術の達人」と称えられ、新しい時代を切り開いた。
text:RUMI TOTOKI