「キートゥースタイル」フロアを“遊園地”に変身させたnendo佐藤オオキ氏に特別インタビュー!
先ごろ8年ぶりのリニューアルでイメージを刷新した西武渋谷店。入口環境は音楽・映像アーティストのカーステン・ニコライが、A館5階の「モードプラス」とB館5階のメンズフロアのデザインは建築家の永山祐子という気鋭の才能が手掛け、話題を呼んでいる。そんななか、A館3階「キートゥースタイル」のフロアデザインを担当したのがデザインオフィスnendoの佐藤オオキ。同店が掲げる「Art meets Life」のメッセージをさらに磨き上げた、ワクワクするような空間が出現した。
「キートゥースタイル」の売り場スペースの中でもひときわ目を引くのが、メリーゴーランドを想起させるステージ部分。黒いリボン状の金属を天井から垂れ下げ、テントのようなイメージで円形の空間をゾーニング、大胆な白と黒のストライプやジグザグ模様で彩った大小のプリン型什器や、ピエロが乗るボールのようなクッションが。「え? これがnendoの現在形!?」と、デザイン通はちょっとびっくりすること必至だ。「確かに、nendo史上最高に“濃厚”かもしれないですね(笑)。アクセサリーのコーナーなんて金色まで使ってますし! これまでは店舗というのはあくまで主役である商品の舞台だから、目立ってはいけないと思っていたんです。でも、今回は商品を殺さない程度にノイズ感をどう出すかも考えました。もちろん、リアルにやりすぎるとエグくなってしまうので、旗を表現するにしてもグラフィカルにアレンジしたりして、大味な部分は残しながらもディテールにもこだわった。西武渋谷店において3階のあの場所というのは、1階から上がってきた人に刺激を与えるような、ある種リセットする場。対角線を生かして目線が抜けるように考えてもいるので、全体的に伸びやかな印象の売り場になったのではないかと思います」と、佐藤さんは微笑む。
photo : Akinobu Kawabe
text : Shiyo Yamashita
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問い合わせ先/西武渋谷店 tel. 03-3462-0111(代表)
https://www.sogo-seibu.jp/shibuya/