インタビュー
2015/09/10(木)

パリで活躍する日本人 【vol.1 Maori Murotaさん】

パリのフード業界で活躍する日本人の方々に、パリ移住のきっかけから日本人としてパリで働くコツ、お気に入りアドレスまでを聞くスペシャルインタビュー。vol.1は、ファッション界から未経験で料理の世界に飛び込み、和食をアレンジしたケータリングや料理教室が大人気の、Maori Murotaさんが登場。

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未経験から大好きな料理の世界へ

サンマルタン運河近くの人気のレストラン「Verre Volē Sur Mer」でランチの“Bento”を担当したり、ワインカーブ「La Cave de Danon」で居酒屋イベントを行って注目を集めているMaori Murotaさん。野菜を中心としたケータリングや日本の家庭料理を学べる料理教室も大好評。昨年はレシピ本『Tokyo Les Recettes Culte』も出版した彼女が、フランス人たちの心をしっかりと掴んで離さないその秘密とは?
 
―パリでお仕事を始めることになったきっかけを教えてください。
私はもともと食関係の人間ではなく、以前は服飾の仕事に携わっていたんです。ファッションは好きだったけれど、次第にモードの世界は私の性格にはちょっと合わないのではないかと思うようになって。2006年から2009年まで、クリストフ・ルメールのアシスタントをしていて、ちょうど仕事にひと区切りつきそうになったときに、「もしファッションでなかったら、私には何ができる?」と考えたら、料理を作ることが好きだと気付いたんです。
 
料理好きな両親の影響もあり、料理は作るのも食べるのも大好き。NYの大学に留学してひとり暮らしをしていた17歳の頃から、よく友達を自宅に招いてご飯を作っていたんですよ。パリでファッションの仕事をしていたときにも、毎週末の息抜きといえば、料理を作って友だちと一緒に食事をすることでした。かといって、すぐに料理の仕事ができるというわけではないので、商社に移ってパートタイムの仕事をしつつ、少しずつ食関係の仕事を始めることに。
 
ちなみに私にとっての最初のお客様は、元上司のクリストフ・ルメールだったんです。こうして「クリストフ・ルメール」や「ZUCCA」などから少しずつケータリングのオーダーがつくようになりました。そして、セレクトショップ「メルシー」に家具を卸していた建築家の夫が、当時のディレクターに「妻が料理の仕事をしている」と話したことがきっかけで、「メルシー」でのイベントのための料理を手掛けるようになったり、次第に軌道に乗っていったんです。
 
とはいえ、最初の1年は毎日仕事の発注が入るというわけではなかったので、たとえお弁当1個でもオーダーがあれば作ってメトロに乗って届けたりして、地道にやってきました。

photo : Koji Hirano  coordination & text : Masae Hara

  • Maori Murota/1979年、福岡生まれ。1996年にNYの大学に留学後、2003年に渡仏。2006年~2009年まで、クリストフ・ルメールのアシスタントを務める。2009年、ケータリングを開始。2014年、レシピ本『Tokyo Les Recettes Culte』を発売。現在はイベントのケータリングや料理レッスンを手掛けるほか、レストラン「Verre Volē Sur Mer」で“Bento”スタイルのランチを担当(月曜~木曜)。ワインカーブ「La Cave de Daron」では不定期で居酒屋イベントも行う。
    instagram : @maorimurota
    email : maorigohan@gmail.com

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