インタビュー
2015/09/10(木)

パリで活躍する日本人 【vol.1 Maori Murotaさん】

パリのフード業界で活躍する日本人の方々に、パリ移住のきっかけから日本人としてパリで働くコツ、お気に入りアドレスまでを聞くスペシャルインタビュー。vol.1は、ファッション界から未経験で料理の世界に飛び込み、和食をアレンジしたケータリングや料理教室が大人気の、Maori Murotaさんが登場。

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恥ずかしがらずに、やりたいことは主張を

―パリのフード業界で仕事をするうえで、特に意識していることはありますか?
私自身は料理業界で仕事をしているという自覚はあまりなくて、プロの料理人さんたちとは全然違うスタンスなんです。私のようなことをしている人はあまり他にはいないので、需要があるのかなと思っています。
 
―パリで仕事を始めたばかりのころ、苦労したことはありますか?
今まで仕事をしたことのない分野だったので、価格設定もわからなかったし、料理関係に知り合いもいなかったので、1年ぐらいはかなり手探り状態でした。今でもまだそうですけれど、それでも最近になってやっと「このお値段をいただきます」と言えるようになったというか……。最初の頃はお客さんが少なかったので「何でもやろう」と、お弁当をバッグに入れてあちこちに届けて周ったりもしました。それに、ご依頼いただいたお話をつい全部引き受けてしまうたちなので、200人分をひとりで作らなくてはならなかったことも。「何で引き受けたんだろう……」とベソをかきながら、結局2日間徹夜して作ったこともありました。とはいえ私って、苦労したことを忘れちゃうタイプなんですよ(笑)。
 
―日本人がパリで仕事をしていくコツはありますか? 
日本人って、マメだし仕事をしっかりこなすじゃないですか。気も利くので、どんな仕事でもよくできると思うんですよね。だから、いろいろな国の人々が集まるパリという都市では日本人の評価はとても高いと思うので、それを裏切らないように真面目で誠実にやっていけば、結果は出ると思います。あとは、あまり恥ずかしがらないようにすること。日本人は周りの人に気を使って謙遜してしまうところがありますよね。それはとても大切な部分なのでその姿勢を保ちつつも、やりたいことはきちんと「やりたい」とはっきり言えるようにするのがいいと思います。

photo : Koji Hirano  coordination & text : Masae Hara

  • Maori Murota/1979年、福岡生まれ。1996年にNYの大学に留学後、2003年に渡仏。2006年~2009年まで、クリストフ・ルメールのアシスタントを務める。2009年、ケータリングを開始。2014年、レシピ本『Tokyo Les Recettes Culte』を発売。現在はイベントのケータリングや料理レッスンを手掛けるほか、レストラン「Verre Volē Sur Mer」で“Bento”スタイルのランチを担当(月曜~木曜)。ワインカーブ「La Cave de Daron」では不定期で居酒屋イベントも行う。
    instagram : @maorimurota
    email : maorigohan@gmail.com

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