女性の恋愛や人生にもっと多様性を

女の人が社会で働き始めてまだ歴史が浅いですが、これからは女性の生き方にはもっと多様な価値観が現れてきます。僕は“人生2回結婚方式”というのも、そのほうが幸せになれる人にとっては全然ありだろうって思っていて。たとえば女の人は若いうちに、経済力のある20歳ぐらい年上のオジサンと結婚してさっさと子どもを産んじゃう。で、産んだ子どもが成人してから今度は20歳ぐらい年下の若い子と恋愛して、いろいろ教えてあげる。早いうちに出産と子育てをしっかり経験しておいて、ただそれにはお金も必要だから経済力のある年上をがっちりつかんでおいて、子どもの手が離れたら、そこから大学で勉強したりキャリアを積んだり、自分が主導権を握って恋愛をしたり。人間として成熟してから社会に出るわけです。それが誰にとっても絶対にベストというわけではないけど、選択肢として、なんとなく“無いこと”になってますよね。
 
この場合、若いほうは年上の恋人が老いたときに完全に捨てちゃったらダメで、そのとき若い恋人がいてもいいけど、自分が若い頃にいろいろ教えてくれた人の老後はケアしてあげる、死ぬときは看取ってあげることは大切だと思います。そして、自分が老いたときに、愛する若い男が、今度は自分より遥かに若い女性と恋をするのを許せるかどうか。
 
もしこの映画を観て「年下の子との恋愛っていいな」と思ったら、10歳でも20歳でも離れていようと、怖がらずに愛情を持てばいいと思います。だけど、これはとても重要なことなんだけど、その男の子が女性全般に対して、あるいは本当のお母さんに対して心の底で憎しみを抱いてたら、いずれ彼は彼女を追い抜こう、支配しようとし始めて、関係は破局することが多いようです。年の差婚に限らず、女性のほうが収入が多いとか仕事での立場が上とか、そういうカップルには（これから都市部では間違いなく増えていくわけですが）そういうカップルが幸せになるための愛情の育み方の構築と、考え方の変化が必要ですね。
 
2人の息子を演じる若手俳優はどちらも美青年で、裸体も登場しますし、女性にとって眼福な映画と言えるでしょう。ロビン・ライトは実生活でも14歳年下の男性と婚約、ナオミ・ワッツもかつて年下のヒース・レジャーと付き合ってましたし、きっと2人とも、この映画の撮影にノリノリだったでしょう（僕の妄想ですが……笑）。
 
そんな2人が演じるロズとリルの前には、元夫や若い女性という一応の“外敵”が登場するけれど、そんなものは彼女たちと美しい息子たちの世界を崩せませんでした。

■今回の格言／年の差があっても、愛情があれば続くものは続きます