ヒット続きの90年代
ミラマックスから配給されたニール・ジョーダン監督の映画『クライング・ゲーム』がアカデミー賞で最優秀作品賞にノミネートされた翌年の1993年、ミラマックスはディズニーに67億円(6000万ドル)で売却。ワインスタイン兄弟が引き続き会長を務めるなか、クエンティン・タランティーノ監督の大ヒット映画『パルプ・フィクション』が1994年にリリースされ、世界で239億円(2億1300万ドル)の興行収入を記録し、その年のアカデミー賞で最優秀作品賞にノミネートされた。そして1997年に最優秀作品賞を獲得した映画『イングリッシュ・ペイシェント』、1999年に最優秀作品賞を受賞した映画『恋に落ちたシェイクスピア』を配給し、大ヒットを連発。
この頃からハリウッドスターたちと肩を並べ、レッドカーペットでも見る機会が増えたワインスタイン。そんな彼を映画監督のジェームズ・アイヴォリーは「天才であり、ばか者でもある」と表現。さらに「残念ながら両方の性質を持ち合わせている」という意味深なコメントを米『ニューヨーク・マガジン』誌に残している。
2000年代に突入するとワインスタインのお騒がせな行動や発言が目立つようになり、HBOのコメディドラマ『アントラージュ★オレたちのハリウッド』のオチに使われることもあったのだそう。ドラマのシーズン2では、口の悪い映画会社の重役という設定でハーヴェイ・ワインガードという名前のキャラクターも登場。それにはワインスタインもお怒りだったようで、エリック・マーフィー役のケヴィン・コナリーは「パーティにいたらいきなりハーヴェイ・ワインスタインが目の前にきて『俺の名前を2度と使うな。さもなければプロデューサー全員殺すぞ』って脅迫してきたんだ」と米『ハリウッド・リポーター』誌に告白。でもその言葉ものちのエピソードで使用されたという。
Translation: Reiko Kuwabara From Esquire