理由その1:マイノリティが世界を変える
何よりも痛快なのが、弱者や少数派が世界を変えていくところ。ドラマスタート時は「戦に強い男」「権力ある父」が支配する世界だったけれど、話が進むにつれそういった典型的強者=マジョリティ像に当てはまるキャラクターがつぎつぎお亡くなりに。はたと気づくとシーズン7は、「王の嫁」「売り飛ばされた姫」「疎まれたドワーフ」「孤独な非嫡出子」が支配する世界。それまで「強者の論理」を盾に蔑ろにされていた身体的マイノリティや女性、そして若者や奴隷が権力の中枢に集結して、今わたし気分爽快だよ!?
会社員でいえば、中途採用でうっかりブラック企業に就職してしまい、搾取されて過労死寸前まで追いつめられて命からがら退職し、生え抜き正社員が思いもよらない手段で社長のイスを乗っ取り、改革を進めていくといった感じで、「倍返しだ!」の10倍愉快痛快。しかも「倍返し」したところで所詮は旧態依然としたオジサン社会のドメスティックホモソーシャル銀行内でのちっさな復讐劇と違って、例えて言うならこちらはダイバーシティに富みまくる超グローバル企業での争い。興奮もひとしお。