卓越したヌードに現代アートの父も反応
便器の「泉」でおなじみのデュシャンも、クラーナハのエロティシズムに敏感に反応したアーティストだ。
「彼は1912年にミュンヘンに滞在し、そこでクラーナハを見たことが転機になったと思われます。1912年から後の作品にはクラーナハの《アダムとイヴ》を引用したものや、《花嫁は彼女の独身者たちによって裸にされて、さえも》(通称《大ガラス》)の発端となった《花嫁》といった作品には、より具体的で有機的なエロティシズムが感じられます。彼もクラーナハの作品にエロスの原型を見出し、20世紀になってからそれを抽出したのです。」
Text:NAOKO AONO
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クラーナハ展―500年後の誘惑
~'17年1月15日 国立西洋美術館
1月28日~4月16日 国立国際美術館(大阪)
http://www.tbs.co.jp/vienna2016/