水分も食物繊維も賢く効果的に摂るが勝ち
3. 冷えは停滞腸の原因に。だけど水分は不可欠
腸を元気に働かせるためには体を冷やさないことが大切。しかし冷えを気にして水分を控えめにしていると、それが便秘の原因になる場合も。そこで1日で1.5リットル以上の水分摂取を目標にし、朝起き抜けにはコップ1杯の水を飲むことを習慣にしてみよう。空っぽの胃を刺激し、“大ぜん動”を促すのに効果的。
4. 食物繊維は不溶性と水溶性のバランスを考えて
「体のために食物繊維をたくさん摂ろう」というのは今や常識。ただし腸のことを考えるるなら、やみくもに摂ればいいというものではない。不溶性食物繊維は腸内でふくらんで便をカサ増しし、大ぜん動を促す。水溶性食物繊維は腸内でゼリー状となり、不要なものを巻き込んで排出。それぞれに役割が異なるために両方を摂ることが必要で、2対1が理想のバランスと先生はいう。不溶性は玄米やレタスや根菜類に、水溶性は海藻類や熟した果実に多く含まれる。玄米や生野菜のサラダは食物繊維が多くて体によさそうだが、そればかりではバランスを欠き、停滞腸の原因になることもあると覚えておこう。
text:Shoko Matsuzawa
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松生恒夫(Tsuneo Matsuike) /
東京都立川市「松生クリニック」院長。医学博士。慈恵医科大学を卒業の後、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、現在のクリニックを開設。現在まで4万件以上の大腸内視鏡検査を手掛けてきた実績があり、便秘外来の第一人者としての信頼も厚い。腸の健康を守るための生活や食習慣に関する著書も多数。
参考文献:『「排便力」をつけて便秘を治す本』(光文社)、『腸を温める食べ方』(青春出版社)
松生クリニック
http://matsuikeclinic.com/