排便力が弱い “停滞腸”は生活スタイルに問題アリ
日頃から便秘で悩んでいる人はもちろんだが、旅先や環境の変化で一時的に便秘になってしまう人もいれば、本当は便秘なのにあまり自覚がない人もいる。また便秘とはいえないまでも、お腹にガスが溜りやすく膨満感があるなど、腸に不調を感じている人はとても多く、しかも年々増加傾向にあるという。
「それは腸本来の役割である老廃物を排出する力が弱くなっているからであり、いってみればお腹に不要なものを溜めるクセがついているのです」。松生先生はそういう状態を “停滞腸”と名付け、改善指導にあたっている。このクセは生活スタイルや食事と密接に関係しているのだが、「ヘルシーで腸にいいから」と実践していることが実は逆効果になっている場合もあるのだとか。
「もしかして停滞腸かも?」と思ったら、下の項目をチェックしてみよう。思い当たる項目がひとつでもあったら、それが腸の不調の原因かもしれない。
こんな生活をしている人が“停滞腸”になりやすい!
□朝食を食べないことが多い
□低糖質ダイエットをしている
□水分をあまり摂らない
□青魚を食べない
□野菜は主にサラダやジュースで摂る
□就寝時間が遅く、睡眠不足
□寝る前3時間以内に食事や間食をする
□この季節でも冷えを感じることが多い
□排便をがまんすることが多い
□運動はしていない
text:Shoko Matsuzawa
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松生恒夫(Tsuneo Matsuike) /
東京都立川市「松生クリニック」院長。医学博士。慈恵医科大学を卒業の後、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、現在のクリニックを開設。現在まで4万件以上の大腸内視鏡検査を手掛けてきた実績があり、便秘外来の第一人者としての信頼も厚い。腸の健康を守るための生活や食習慣に関する著書も多数。
参考文献:『「排便力」をつけて便秘を治す本』(光文社)、『腸を温める食べ方』(青春出版社)
松生クリニック
http://matsuikeclinic.com/