特集 2014/6/20(金)

カリフォルニアの銘醸地、ナパ・ヴァレー。ワイン・ラヴァーならその名はもちろん知っているはずだ。収量が少なく、ゆえに日本に入ってくる数もそれほど多くないナパのワインが、なぜこうまで愛されるのか……。その秘密を探りにナパ・ヴァレーを訪ねてきた。知れば知るほど、好きになる(!?)、ナパ・ヴァレーの「ちょっといい話」。東京でナパ・ワインが飲める店もあわせてご紹介!

左:ぶどう畑の片隅にこんな憩いスペースも。右:この蔵は山の斜面を利用して、土を掘ってつくったもの。そうすることで、温度管理に使う電力が通常より少なくてすむからだ。

「グリーン」なワインへの取り組み
 
ナパ・ヴァレーの美しい景色のなかに建つワイナリーの数々。ワインは自然の恵みそのものであり、健やかな自然あってこそおいしいワインができる……。ナパ・ヴァレーでは、畑でのぶどう栽培からワイン醸造に至るまで、あらゆるプロセスで環境に配慮したサステイナブル(持続可能)なワインづくりを推奨している。「ナパ・グリーンワイナリー」と呼ばれるこうした活動は徐々に広がっていて、豊かな土壌を育て、環境を保護してナパ・ヴァレーの財産であるワインを守ろうと、地域が一体となって取り組んでいる。グリーンでクリーンなワインは、ナパ・ヴァレーでワインに従事する人たちの強い意志が生み出した賜物。そしてこの団結力がまた、ナパのすばらしき特徴のひとつでもある。この土地を大切に思い、ワインを愛する人たちが気持ちをひとつにして生み出すワインが、おいしくないはずがないのである。

ワイナリーでのディナー。ゲストが大勢あるときには、こうして近隣のワイナリー仲間が集ってゲストとともに食事をすることもあるそうだ。それぞれが自分のワインを持ち寄って飲み比べる。ワインがコミュニケーションを広げ、会話を盛り上げてくれる。

ナパでワインをつくるということ
 
ナパ・ヴァレーのワイナリ―の多くが家族経営、つまり、自らの畑でぶどうを栽培し、ワインを醸すファミリー・ワイナリーである。というと、こじんまりした施設を想像しがちだが、ナパのそれは違う。見渡す限りの畑に、清潔で近代的な醸造所、広々とした見学施設を備えたところもあれば、何カ国語も操って海外からの客を迎えるワイナリーオーナーもいる。彼らは互いに行き来し、情報交換を重ねて、つねに「もっとおいしいワイン」のために協力し合う。こうした「開かれた」ワインづくりがナパのワインの品質を年々向上させ、ワインを愛する彼らのホスピタリティが世界中のファンを魅了する。「海外からいろいろな人がナパのワインをもとめてやってくる。嬉しいことです。だから、来てくれた人にはできる限りのもてなしをするのが当たり前」と、自慢のワインをすすめるワインメーカーたち。そういう彼ら自身が、とても楽しそうなのが印象に残る。あるワインメーカーがこう言った。「つくり手同士、みんながお互いに敬意を持っているからときには厳しいことも言い合う。けれど、根底にあるのはワインを愛しているという気持ち。そこはみんな同じです。ナパが好きだし、ワインが好き。ナパのワインを飲む人たちに、少しでもそれが伝われば本当にうれしい」。
今いる場所を、周りの人を、そして仕事をこよなく愛する人たちが、日常を大切に紡ぎながらつくる、それがナパのワイン。
おいしいワインの理由は、土地と気候と、そして、「人」なのである。
 
●ナパ・ヴァレーについての詳しい情報はこちら
>>次ページからは、ナパ・ヴァレーのワインが飲める店をご紹介。

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Photo : Gaku Yamaya(PATINA STELLA), Kanoko Yasuoka(Waingura@TOKYO) Special thanks : Napa Valley Vintners

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