特集 2014/6/20(金)

カリフォルニアの銘醸地、ナパ・ヴァレー。ワイン・ラヴァーならその名はもちろん知っているはずだ。収量が少なく、ゆえに日本に入ってくる数もそれほど多くないナパのワインが、なぜこうまで愛されるのか……。その秘密を探りにナパ・ヴァレーを訪ねてきた。知れば知るほど、好きになる(!?)、ナパ・ヴァレーの「ちょっといい話」。東京でナパ・ワインが飲める店もあわせてご紹介!

おいしいワインを育てる風土
 
サンフランシスコから100kmほど、車で2時間も走れば、そこがワインの聖地。「ナパ・ヴァレー」とは、アメリカ・インディアンの言葉で「豊穣の谷」を意味するというが、その名の通り東西を走る2つの山脈にはさまれた「谷」にぶどう畑が広がる。この独特の地形、100を超えるという土の種類、そして海から流れてくる霧など、ナパ・ヴァレーに特有のさまざまな要素が複雑に入り組み、「マイクロ・クライメット(微気候)」と呼ばれる稀有な気候を作った。これが、「ぶどうにとっての天国」と称されるほど、ぶどう育成にとって、そしてワイン醸造にとって理想的な条件を生み出したのだという。ナパ・ヴァレーには、世界の名だたるワイナリーも注目。畑を有し、ここでワインを作っているメーカーも少なくない。

左:午前10時過ぎる頃にはだんだんと霧が晴れて、青空が見えてくる。右:青空の下、畑のそばで飲むワインはまた格別。

霧のマジック!
 
さて、ナパ・ヴァレーの朝8時。天気予報は「晴れ」なのに、どんよりとグレーの空が広がる。気温は「肌寒い」を通り越して、ダウンが恋しくなるほどだが、土地の人々は「まったくナパらしい日だ」とこともなげに笑う。その言葉の真意がわかったのはそれから3時間ほどたってから。山の上のワイナリーで畑を見学していると、空がみるみるうちに青くなっていく。まるでマジックのよう。30分もすれば、朝のどんよりがうそのように真っ青な空が山を覆っていた。そう、これがナパ・ヴァレー。海から川を上ってやってくる冷気によって霧が発生し、朝は驚くほど寒い。霧が晴れる頃から温度が上がりはじめ、午後には汗ばむ陽気に、そして夜にはまたひんやりとした空気が戻る。1日の中に夏と秋が同居しているかのようなこの気候が、じわじわとおいしいぶどうを育て、それがやがて極上のワインになる、というわけだ。

1 / 4
1 2 3 4

Photo : Gaku Yamaya(PATINA STELLA), Kanoko Yasuoka(Waingura@TOKYO) Special thanks : Napa Valley Vintners

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

ELLE PR STORIES

注目ブランドをもっと見る

CONNECT WITH ELLE

グルメ・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト