麩嘉(ふうか) 錦店
地元で愛される名店で、初めての「生麩」選び
椀物のたねにしたり、お出汁で炊いたり。または、味噌を乗せてあぶって田楽にしても。京都の人々の大好物「生麩」は、毎日のおかずで活躍するマルチな京食材。その食感はつきたてのお餅のようになめらかでモッチリ。口の中にはほのかな甘みがふわ〜り。しかも低カロリー。そんな、女性が大好きな要素がたっぷり詰まった生麩を買うなら、錦市場内にある「麩嘉」がおすすめ。江戸中期創業の老舗で、本店は予約販売のみながら、錦店は気軽に立ち寄って出来立てを購入できるのがうれしい。種類も粟麩にごま麩、パンプキン麩、ベーコン麩と実に多彩。オリーブオイルで炒めてビールのアテに、シチューのようにソースで煮込んでも美味。「アイデア次第で和洋問わずに楽しめるのが魅力ですね」とスタッフ石崎さん。
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珍しい季節限定商品も
多彩なラインナップが魅力
精進料理の食材として中国から伝来した生麩。その原料は「小麦粉のグルテン」「もち米」「水」と、驚くほどにシンプルだ。それだけに絶妙な食感と甘みを出すには、京都の美味しい水と、職人さんの細やかな技が勝負となる。こちらで扱う生麩は常時約20種。冬は「酒粕麩」、春先は「蕗の薹麩」など、ユニークな季節限定品も。写真上は、人気の「ごま麩」と「蓬麩」、ハレの日向けの「手鞠麩」。写真右は「散し麩」。茶碗蒸しや小鉢の彩りのほか、素揚げをしておかき風の吹き寄せにしても。
photo : Maki Arimoto text : Noriko Yamaguchi