デンマーク人に学ぶ、もっとヒュッゲになる方法とは?
欧米で大ブームを巻き起こし、日本でも話題になっているデンマークの心地いい暮らし方「ヒュッゲ」。キャンドルを灯したり、暖炉やブランケットで身体を温めたり、ホットドリンクを飲んだりして、温かくほっこり過ごすイメージのあるヒュッゲだけど、デンマークの人たちは普段どんなライフスタイルを送っているの?
本題に入る前に、今さらすぎる重要な点をあえて指摘したい。
「ヒュッゲ」は、おそらく(というか、ほぼ確実に)これまででもっとも過剰に騒ぎ立てられたトレンドのひとつといえる。2016年の終わりに近づいた頃、書店にはヒュッゲがテーマの書籍(『デンマーク・ヒュッゲ・ハンドブック:幸せになる52通りのヒント(原題:The Art of Hygge,)』、『ヒュッゲ入門』(原題:How to Hygge)、『ヒュッゲ:ささやかな喜びを味わう(原題:Hygge: A Celebration of Simple Pleasures)』など)がずらりと並び、ライフスタイルがテーマの新聞や雑誌がこぞって“もっとヒュッゲに生きよう!”といった特集を組み、数えきれないほど多くのデパートで素敵なクッションが主役の冬らしいディスプレイを展開した。
そして、デンマーク流の “くつろぎ” というヒュッゲの本来の意味やコンセプトとは裏腹に、ふわふわなソックスからヴィーガンのシェパーズパイまで、さまざまな便乗商法が生まれた。こういった動きに、ヒュッゲ信者が増えれば増えるほど、いぶかしげな視線を浴びていた人もいたほど。確かに、一部でこういった影響が見られたものの、デンマーク人は世界で最も幸福度が高いことは調査によって明らかになっている事実だ。彼らには52週分の産休が与えられ、甘くておいしいデニッシュパンもデンマーク発祥。つまり、デンマークでの生活の概念は、私たちにとっても幸せをもたらしてくれる可能性は十分にある。
では、果たして「ヒュッゲ」な暮らしは、彼らの幸福度とどれくらい関連しているのだろうか?
original text : Katie O'Malley translation : Rubicon Solutions, Inc cooperation : Yuko Ehara photo : Getty Images