おしゃれ通が本音でランジェリー放談! 極上なランジェリーとは?
かつてパリFW会場界隈で出会い、交流を深めているヨーロッパ在住歴の長いファッショニスタ2名に、目からウロコのランジェリー事情をASK! スタイリスト三宅陽子さんと、デザイナーの村田明子さんに訊いた、下着から始まるモードなスタイルの作り方をお楽しみあれ!
ランジェリーを作ってほしいデザイナー&男性に贈ってほしいランジェリー
●「3.1 フィリップ リム」や「サカイ ラック」も、かつてインティメイトウェアを出してましたよね。スリップやショーツなど、ウェアからちらっと見えてもファッション性が高いアイテムが多くて、私は今でも手洗いしながら重宝してます。ところで、こんなデザイナーのランジェリーを着けたい!と思うブランドは?
A:日本にはセンシュアルな素材がたくさんあるから、(「サカイ ラック」のように)素敵なファッション下着が出てくる可能性がもっとあるような気がする。私は「トーガ」あたりに出してほしい。
Y:「ハイク」も新しい感じでおもしろそう。私はパリの大学院時代に「ソニア・リキエル」がランジェリーラインを発表したらどうなる?というプロジェクトを手掛けたことがあって、ランジェリーのデザインに挑戦したことも。「ソニア~」はブランドのシグネチャーにストライプとかわかりやすいものが多かったので、作りやすかったしおもしろかったですね。だから今もランジェリーをいつかデザインしたいって思う。
A:私も! アイデアはいくらでも出すので、製造は日本の大手メーカーにお願いしたい(笑)。日本って靴下の技術もすごいんですよね。そういうハイレベルなアンダーウェアとファッション性の高いデザインが融合できたらいいですね。
Y:でも私は、結構コットンの花柄とかも好きなんですよね。
A:それってフランス的な“田舎風”という素朴さの演出でしょ?
Y:そう、それ! あか抜けない素振りがセクシーを強調するための演出で。決してロリータ的な嗜好ではないのがポイント。
●ちなみに、パリだったらどこでランジェリーを買いますか?
A:ボン・マルシェ?
Y:うん、一番手っ取り早いのはボン・マルシェ。何でも揃ってる。「プリンセス タムタム」はリーズナブルで安定して可愛い。意外とランジェリーも充実している「ウォルフォード」もパリで幅広い層に人気ですね。
●ブラジャーの試着はしますか?
Y: ほとんどしないかも。お店の人が手で触って「あなた、こっちかな」なんていうくらいでOKだけど、日本はすごいですよね。原宿あたりのストリートで見ていて気になるのは、タンクトップを着てる脇からブラジャーが見えている人。それが可愛いブラジャーならいいなと思う。ストラップ同様、“見せる”という意識で着こなしてもいいんじゃないかって。手頃な値段で変えるシンプルなものや、大人向けに上質でモードなランジェリーも日本のブランドで出来たらうれしい。さらに、そういうのを男の人がプレゼントする文化になるとおしゃれですよね。ブランドのバッグよりランジェリーの方がロマンティック!
A:ロマンティックだけど外されたらすっごいイヤじゃない!? 香水も当たったらさらに好きになっちゃうけど、違う香りだとトーンダウンしちゃうかも(笑)。
Y: 洗練されたエレガントなデザインでもほのかにエロスが漂う、っていうものをプレゼントされるのが理想ですよね。ランジェリーって元々裸でもきれいな身体を、より美しく見せる演出もあると思うんです。だから機能的な補正下着をつける日と、官能的なプレイフルなランジェリーを使い分けられると素敵だと思う。
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村田明子さん:アントワープ王立芸術アカデミーファッション科を卒業。アカデミー在学中に「ヴィヴィアン・ウエストウッド」でインターンをはじめ、帰国後「エムエー デザビエ」をスタート。「ピーターピロット」のミューズとしてご意見番を務めるなど、親交の深いデザイナー多数。
http://ma-deshabille.com/ -
三宅陽子さん:ロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業後、パリで大学院IFMを修了。「バレンシアガ」や「ジバンシィ」でデザイナーとしてキャリアを積んだ後、『パープル』誌でスタイリストとして活動をスタート。現在、日本をベースに幅広く活躍中。
photo: KAORI UMEZAWA special thanks to doll domination