おしゃれ通が本音でランジェリー放談! 極上なランジェリーとは?
かつてパリFW会場界隈で出会い、交流を深めているヨーロッパ在住歴の長いファッショニスタ2名に、目からウロコのランジェリー事情をASK! スタイリスト三宅陽子さんと、デザイナーの村田明子さんに訊いた、下着から始まるモードなスタイルの作り方をお楽しみあれ!
ブラだけじゃない! ランジェリーの自由な選び方
●まずは、ふたりの好きなランジェリーを教えてください。
三宅陽子さん、以下Y:私は基本的に透け透けですね♡
村田明子さん、以下A:おおー! 私より先に話してくれてよかった(笑)。
Y:もともとあまりブラジャーを着けるのが好きじゃなくて、胸もあんまり大きくないから、大学時代はタンクトップにボクサーショーツみたいなアンダーウェアが定番でした。90年代前半という時代的な背景もあったと思うんですが、当時はケイト・モスが広告塔だった「カルバン・クライン」の流れがあったので。16歳の頃からロンドンに留学していたのですが、90年代後半になると「エージェント プロヴォケーター」が出てきて、クリスマスやバレンタインに男の人が女性に贈るためにランジェリーを買いに行くっていうのが、ちょっとブームになっていたんです。そういうのがかっこいいと思って、初めて素敵なランジェリーを買ってみたという思い出があります。
A:わかる、私もノーブラ派なの。でも日本だとそうしてると過剰反応されるよね。Tバックもね。
Y:え、Tバックが!?
A:パンティラインが見えないように穿いているんだけど、すごくヤル気のある人に思われる(笑)。乳首も見せちゃダメだし、Tバックはやり過ぎだと思われるし…一体何ならOKなの?って日本に帰ってきてから思ってる。
Y:ヨーロッパだと“乳首はおしゃれ”っていう感覚があるんですよね。小さい人用に付け乳首があったりするくらい。ノーブラにさらっとしたTシャツなんかを着て、乳首をアクセサリーのように浮かせるのがノンシャランとされているんですよ(笑)。でも日本だと、それはNGで母親から注意されたり、街でも人の視線が気になるので、公の場に出るときブラはつけるようにしてますね。
A:そうそう。私はショールを肩にかけたりしてる。
●日本の女性からすると、ノンパテッドだとブラジャーをする意味がないのでは?と思ったりします。
A:そうそうそうそう、そこわからない。だから私はあんまりしないのかも(笑)。
Y:推測なんですけど、この2年間ブラジャーをつけてたら私はちょっと大きくなった気がする。同じようなことを言っている友達もいて、着用することで胸が寄せられて上がるかも。
A:垂れにくくはなるかもね。私は最近太ったけど昔はガリガリだったから、本当にブラが必要なかったの。逆に今ブラをつけるときは自己演出かな。
Y:ブラジャーはその人のスタイルを左右するよね。胸が小さいアシスタントは、むしろ胸を目立たせないジェンダーレスなスタイルにしてる。さらしというかスポーツブラ的なものか、ニップレスとかね。
●先日「ピーチ・ジョン」からエフォートレスなスタイルを胸元から作るという新ラインが発売されました。6月に行なわれた試着会で私も初めてノンパテッドを着けてみたら、とっても楽で新鮮! 日本人が気になるニップ問題は、カップの裏側に“トップシークレット”という加工が施されているので、気にせず安心でした。
A:そうですよね、ノンパデットはとっても着け心地が軽いんです。パッド入りのブラは蒸れますしね。
Y:ノンパテッドなら胸元からクールビズできますね(笑)。エフォートレスだったりプレイフルだったり、もっとワクワクする感じがあってもいいんじゃないかって思います。
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村田明子さん:アントワープ王立芸術アカデミーファッション科を卒業。アカデミー在学中に「ヴィヴィアン・ウエストウッド」でインターンをはじめ、帰国後「エムエー デザビエ」をスタート。「ピーターピロット」のミューズとしてご意見番を務めるなど、親交の深いデザイナー多数。
http://ma-deshabille.com/ -
三宅陽子さん:ロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業後、パリで大学院IFMを修了。「バレンシアガ」や「ジバンシィ」でデザイナーとしてキャリアを積んだ後、『パープル』誌でスタイリストとして活動をスタート。現在、日本をベースに幅広く活躍中。
photo: KAORI UMEZAWA special thanks to doll domination