ピンクが女の子の色になったのはいつ?
世界中で史上最大級の盛り上がりを見せた国際女性デー。デモンストレーションの象徴となったのは、ピンクの帽子。でも、これは決して「かわいいから」ではないことは明らか。でも、ピンクが「女の子の色」になったのっていつから? その経緯を追えば、ピンクハットの意味深さがわかってくる。
ジェンダーバイアスに囚われないよう、ニュートラルカラーのベビー用品やおもちゃが出揃っている昨今。男の子ならブルー、女の子ならピンク。慣れきったこの組み合わせ、実は何と第二次大戦後にようやく定められたもの。しかもひとりの女性によって……。その歴史を見てみよう。
歴史上、「子供」という認識が生まれたのは実際には近世以降。それまでは子供の人権もへったくれもなく、「ただの小さい大人予備軍」という認識しかされていなかった。大人も子供も全く同じ構造の服を着るのも当たり前。男の子も女の子もある一定の年になるまで「女子」の格好をしていた(一説によると男子のほうが死亡率が高かったため魔除けの意味もあったらしい)。ただし女性のみ、特にルネッサンス期の絵画において、体が発達し、結婚できる年齢(あるいは大人がそうさせたいと思ったとき)に達すると、淡いブルーの服を身にまとうのが一般的だった。聖母マリアのシンボルカラーが青、というのも女性の貞節が結婚において重要なファクターであった事に関係あるかもしれない。逆に、「これが男らしい色」という設定も特になく、ピンクは男女ともにごく普通の色として日常的に用いられてきた。
Text : Ryoko Tsukada