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ヒュー・グラント×ジュリア・ロバーツ共演で世界的大ヒットとなった『ノッティングヒルの恋人』(写真上)、ロマコメの女王メグ・ライアン主演で“男女の友情”をテーマに描いた名作『恋人たちの予感』(写真下) photo : Moviestore Collection/AFLO

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王道ラブコメの時代は終わった?

ここ数年ハリウッドで暗黙の了解となっているのが「ラブコメは死んだ」という恐るべき事実!? ウディ・アレン監督の『アニー・ホール』や、『恋人たちの予感』に始まるメグ・ライアン&ノーラ・エフロン監督・脚本コンビによる3部作、ジュリア・ロバーツの名を世界中に知らしめた『プリティ・ウーマン』、『フォー・ウェディング』で “ラブコメのキング”となったヒュー・グラント主演作などなど。80年代から数年前までハリウッドのドル箱だったラブコメだけれど、最近は製作本数も激減。しかも製作されてもほとんどヒットしないという状態が続いているのだ。
 
一体全体、なぜこんな事態に? 考えられる理由はいくつかあるが、まずは定番スタイルに映画ファンが飽き飽きしたことが挙げられる。キュートな出会い方をした男女がちょっとしたハードルを愛の力で乗り越えて結ばれるのがラブコメの定番で、バージョンが違うだけでほとんどの作品がこの流れでハッピーエンドを迎える。さすがに10本も観れば飽きるのは必至。
 
その上、社会人として毎日働いている女性ならば、この手のラブコメがファンタジーでしかないことに気づいてしまったわけ。身の回りにヒュー・グラントやジョージ・クルーニーがいないのは当然として、キャリアや将来設計など現実的に考えなければならないことが山盛り。アベノミクスとか騒いでいても経済的にも先行き不安な状況だから、結婚=人生安泰なんて油断してはいられない。夫はいらないけど子供は欲しい、とシングルマザーの道を選んじゃう女性も以前よりは確実に増加しているし。白馬の王子様をいつまでも待ち続けるんじゃなく、自ら馬に鞍をつけて駆け出すくらいの気概がなくては人生をサバイバルできないという辛く切ない現実に気づいてしまった女性にとって、ラブコメはもはや一服の清涼剤ではなく、「こんな甘っちょろい恋愛なんかしてられるか」と軽い殺意すら覚えたりして……。

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text : Midori Yamagata

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