番外編
実際、ネットで出会った彼ってどうなの?
ネットでの出会いに慣れている人、実際に自分もインターネットを使ってビジネスをしていたり、日常的にオンラインで人と繋がっていたりする人にとっては、出会いがオンラインであろうがオフラインであろうが、それほど気にする時代ではなくなったのかもしれません。
それでも、恋愛に関しては、普通の現代的な恋人というのは、私生活や仕事を通して魅力的だと思った人を選ぶというのが順当とも言えます。お互いに、彼氏である/彼女である、という以外に関係性があるカップル、つまり上司と部下であるとか、元同級生であるとか、趣味のサークル仲間であるとか、というのは、お互いの人間性を知る上でとても優位性があります。
逆に、ネットではなくとも、お見合いや合コン、ナンパなど、恋愛目的に出会った2人というのはどうしても、彼の人間性というより、女あしらいや、あくまで「あなたに対しての」接しかたで判断せざるを得なくなります。お見合いや合コンには他者が存在しますが、ネットではそれすらない。ですから、自分に見えているのがあくまで彼のいち側面である、という意識は最初からかなり意識しておいた方が賢明です。そのうえで、徐々にリアルの世界の彼のことも愛することができれば、出会いがどんな形であったか、というのは忘れるほど強い絆が生まれる可能性はあります。
Text : Suzumi Suzuki Photo : Getty Images
-
鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)、『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)、『おじさんメモリアル』(扶桑社)など。最新の著書は今を生きる女性のお金の使い道や稼ぎ方について評した『オンナの値段』(講談社)。
Twitter:@Suzumixxx
http://lineblog.me/suzukisuzumi/