特集 2017/3/17(金)
早耳調査隊がゆく

アニメ『美女と野獣』公開4日後に亡くなった作詞家が作品に込めた“遺言”

2017年3月17日(金)の全米公開が待たれる実写版『美女と野獣』。でも、今回の作品の元になったアカデミー賞作品にして歴史的アニメーション、1991年公開の『美女と野獣』を生み出した製作総指揮兼作詞家、ハワード・アッシュマンの名前を知る人はそれほど多くない。公開後4日でこの世をさった悲劇のクリエーターが、この作品に込めた“遺言”を知っていますか?

https://www.youtube.com/watch?v=e3Nl_TCQXuw
「夜襲の歌(The Mob Song)」の歌詞には、我々が如何に自分の知らないものに対して残酷に、あるいは利己的になれるかが端的に示されている。
  
We don't like
What we don't understand
自分たちがわからないものなんて嫌いなんだ
 
In fact it scares us
実際知らないものは怖いんだ
 
And this monster is mysterious at least
それにこのモンスターは訳が分からない
 
Bring your guns
銃を持て
 
Bring your knives
ナイフを持て
 
Save your children and your wives
子供たちと妻たちを救うんだ
 
We'll save our village and our lives
村と命を救うんだ
 
We'll kill the Beast!
ビーストを殺すんだ!!
   
 
アッシュマンが闘った戦いにいま、私たちは「普通の」人間として戦っている。「普通」というレッテルから滑り落ちることをとてつもなく恐れている。もしそうなれば、ビーストと同じ目にあってしまうからだ。アッシュマンが偏見と闘いつつ名作を残してこの世を去ってから26年。いま私たちが直面している「自分が知らないものは怖いから全部疎外する」という検討違いの意識が恐ろしいほど蔓延している。
 
アッシュマンに捧げられた『美女と野獣』が再び私たちに寛容であること、オープンであることの本当の意味を教えてくれることを祈りたい。

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Text : Ryoko Tsukada

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