特集 2017/9/20(水)
FROM ELLE WORLD

エミー賞総なめ! ドラマ「The Handmaid's Tale/侍女の物語」を見るべき9つの理由

先日発表された第69回エミー賞でドラマ作品賞、主演女優賞を始め8部門を制覇したHuluのオリジナルドラマ「The Handmaid's Tale(原題)/侍女の物語」。現地では今年の4月に配信されるや否や、その斬新なストーリーと豪華キャストで話題沸騰中の鳴り物入りドラマで、日本での配信が待たれるところ。先日シーズン2の制作が決まり、今後マストウォッチリストの筆頭になること間違いなしのこのドラマの見どころをまとめてみました。

1.トランプ政権下におけるアメリカとギレアデ共和国はパラレルである

アトウッドの原作はこれまでもその時代、その時代で類似性があったとミラーは語る。それでも「制作期間中に起きたことを無視することはできなかった」と現実とドラマが重なることを指摘する。「大統領選挙の翌日、私たちはこのドラマの撮影をしていたの」とエリザベス・モスは振り返る。彼女が演じたのは主役の侍女オブフレッド。ジョセフ・ファインズ演じる軍の司令官に性的な奴隷として仕える彼女は従順を装いつつ脱走しようと考えている。「ジョセフは原作にあったこのセリフを言ったの。『全員にとって望ましいものなどない。それは必ず、ある人にとってはよりひどいものなのだ』って」。
 
「このことを話すと寒気がするわ。そこに立ち、彼にそう言われ、そのセリフに対して明らかな恐怖を示す演技をするのも、それ以外の感覚を感じないようにするのも難しかった。私たちはこのドラマが現実とそっくりであることに驚き、恐怖を感じたの」。

2.現実に似た男性優位な社会が描かれている

ギレアデ共和国内の力関係は誇張して描かれている。しかし意図的に現実社会のジェンダー格差を映し出しているとジョセフ・ファインズは語る。「力が偏っていて、男女が平等に競争する場所がないという現在の状況を見ると、この作品は予見的だ。今後もそうであり続けないことを望んでいる。僕の演じる司令官は僕自身とはまったく違うけれど、彼の中にある男性心理についてはじっくり考えた。ロンドンから来た、白人で特権意識を持った中産階級の男性がどういう存在なのか、僕自身や僕の状態に植えつけられている特権意識はどんなものなのか、そしてそれが他の人にどういう影響を及ぼしているのか。政治的に捉えられる問題が多いけれど、家庭内での問題でもある」

3.原作以上に緊張感に満ちた関係が描かれている

このドラマは概ね原作に忠実である。関係者はみんな原作を愛していると語るが、いくつか重要な部分に変更が加えたという。その1つが司令官の妻セリーナ・ジョイである。セリーナ・ジョイを演じているのはドラマ「デクスター 〜警察官は殺人鬼」でもおなじみのイヴォンヌ・ストラホフスキーだが、原作よりもずっと若く設定されている。ドラマの中のセリーナは子どもを産める年齢でありながら、妊娠できない。こう変えたことでセリーナ・ジョイとオブフレッドの緊張感に満ちた力関係にも変化が生まれたとミラーは語る。「セリーナ・ジョイは年齢的に子どもが産めないという設定はやめようと思った。セリーナ・ジョイとオブフレッドが直接的な競争関係にならず、セリーナ・ジョイが望んでいるポジションをオブフレッドが奪ってしまうということにならないからだ。小説とは対照的に、彼女たちの関係は長期的な視点で見てより興味深いものになり、時間をかけて変化するものになったと思う」。

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Photos: HULU Translation: Yoko Nagasaka

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