【1950年代編】永久保存版!伝説の女優クロニクル
2017/07/14(金)
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ローレン・バコールやハンフリー・ボガートからも敬愛されていた名女優。アカデミー賞受賞4回は、男女合わせても史上最多で、自叙伝『アフリカの女王とわたし』もベストセラーに。スペンサー・トレーシー(左)とは事実婚を貫いた。

Midori's EYE

自立した女の時代を切り開いた美女二人

'50年代以前にデビューして、のちの美女女優たちに公私共どもリスペクトされたのは、何と言ってもキャサリン ・ ヘプバーンだろう。1907年、アメリカの進歩的で裕福な家庭に育ち『フィラデルフィア物語』('40年)をはじめ、洗練されたロマコメに多数出演。子どもの頃からオテンバで自立心が強かった。超美人というのではないけれど、長身を生かしたハツラツとした演技でユニークな魅力を発散。当時としては珍しくパンツスタイル好み、それがよく似合った。名コンビだった俳優スペンサー ・ トレーシーとは彼の死まで事実婚。公私にわたってオシャレに「自立」を貫いた大スターだった。2003年、96歳!で他界。

母国とドイツで映画出演した後、『別離』でハリウッドデビュー。『ストロンボリ/神の土地』を撮影中にイタリア人監督のロベルト・ロッセリーニと恋に落ち、不倫関係の末に結婚。ロッセリーニとの間には、イザベラなど3人の子供に恵まれた。

もう一人、のちの美人女優たちに敬愛されているのはイングリッド ・ バーグマン。1915年、スウェーデン生まれ。まさに北欧美人。「君の瞳に乾杯」という名セリフが出て来る『カサブランカ』('42年)をはじめ、『白い恐怖』『汚名』『山羊座のもとに』と立て続けにヒッチコック映画に出演。美貌と演技力そして五カ国後を操る語学力を兼ね備えた大女優に。私生活ではイタリアのロッセリーニ監督との不倫スキャンダルがあったものの、何しろ大女優なので映画関係者たちはリスペクトし続けた。中年になって色香は衰えても、その年頃にふさわしい役柄を演じ続けた。1982年、長い闘病生活の末、乳ガンで死去。66歳。

文・選:中野 翠(コラムニスト)
Photo: AFLO、GETTY IMAGES

  • 中野 翠
    コラムニスト、エッセイスト。『サンデー毎日』に1985年から続く人気コラムをもつほか、映画評論では『週刊文春』のシネマチャートでもおなじみ。近著に、学生運動まっさかりの'60年代の青春を回想した『あのころ、早稲田で』(文藝春秋刊)がある。

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