特集
2015/11/16(月)
ELLE CINEMA AWARDS 2015

映画ジャーナリストが選ぶ! 2015年のMYベスト映画【前編】

映画好きなエル読者の投票により、その年のベスト映画を決める「ELLEシネマ大賞2015」がいよいよ今年から開催! 読者投票に先駆けて、エルでおなじみの映画ジャーナリスト9名が、部門別に2015年のベスト映画&俳優を選出。映画を知り尽くしたプロたちが選んだベスト3を、前編、後編の2回に分けてお届けします。

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『カフェ・ド・フロール』DVD発売中 (C)2011 Productions Café de Flore inc. / Monkey Pack Films

恋愛映画部門BEST3/立田敦子さん

『カフェ・ド・フロール』
時代を超えて惹かれ合う男女が、因縁で結びついていたりする……という発想が斬新。ヒネリのある恋愛映画です。なぜこの人に惹かれてしまうのだろう? なぜ別れてもこんなに未練があるのだろう? そんな経験がある人にはぜひおススメです。時空を超えて、といってもスーパーナチュラルというより、肌で共感できる内容。女性の登場人物たちの心理描写が素晴らしく、シングルマザーを演じたヴァネッサ・パラディには惚れ直しました。
 
『あの頃エッフェル塔の下で』 
マリオン・コティヤールやマチュー・アマルリックなどのフランスのスター俳優がブレイクするきっかけとなったアルノー・デプレシャン監督の『そして僕は恋をする』。あれから20年後、中年になったポール(アマルリック)が青春時代を振り返り、エステルとの出会いと恋愛模様を語ります。『そして~』のファンはもちろんだけれど、1本の恋愛映画としても楽しめます。細かいセリフなど逐一、納得の連続で、やっぱり恋愛映画はフランスに限ると改めて実感。
 
『博士と彼女のセオリー』
天才物理学者のスティーブン・ホーキング氏とその妻ジェーンの愛の変遷を描いたドラマ。難病ALSにかかったホーキング氏ですが、愛を貫いて結婚。子供ももうけ幸せな夫婦生活をまっとうするかに見えたが、ジェーンに、心を惹かれる男性が現れてしまう。なんとドラマティックな展開。それからのふたりの思いやりにあふれた行動が、この映画のクライマックスです。パッションで突き進む愛だけでなく、お互いの人生を豊かにする本物の愛の物語。
 
●ベスト男優
ヴィゴ・モーテンセン(『涙するまで、生きる』)
『イースタン・プロミス』など体を張った演技も素晴らしいヴィゴですが、カミュの短編を原作とするこの映画では、内省的な抑えた演技で魅せます。荒涼としたアルジェリアの荒野を歩いていて、こんなに絵になる男はいない。
 
●ベスト女優賞
マリオン・コティヤール(『サンドラの週末』)
始まって5分でマリオンに釘づけになった。普段はゴージャスでキラキラ輝いているのに、工場で働く普通の主婦の気持ちをここまで体現できるのはスゴい。最後にほろっと涙を誘われてしまうのもマリオンの純真さが伝わってこそ。

  • 立田敦子/映画ジャーナリスト。2015年後半はフランス映画が絶好調で至福。目下、未見で最も気になるのは12月全米公開(日本は2月公開)のタランティーノの新作です! 近著に『どっちのスター・ウォーズ』(中央公論新社刊)。

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