松坂桃李がひた走る俳優道
ドラマで童貞役を演じたかと思えば、舞台では身体を売る少年、そして今回の映画版『真田十勇士』では忍者……。休むことなく次々にイメージを打ち破る役を演じる俳優・松坂桃李くんがついに「ELLE MEN」に登場!
忍者は男の子の憧れ
――現場の雰囲気はどうでしたか。「次、何、くるんだ?」みたいに戦々恐々とした空気なんでしょうか(笑)。
そんなに毎回、毎回、突飛なことは起きないです。セリフで「ここはこう言って」などの修正はありますけど、急に「これをやってください」というのはそこまで、ありません。ただ、CGだと思ってたところが「実際にやるんだ?」っていうことは結構、ありますね。撮影が迫ってくるにつれて、「え、これ、スタジオじゃなくてロケ? ん?……ロケってことは!?」と(笑)。他の九勇士の方々も多少なりとは思っていたんじゃないでしょうか。みんなハァハァ言いながら「もう1回、走るんですか……。はい、わかりました」って何度もやっていました。甲冑を着ていたりするので、キツかったです。しかも、僕は腕も振れないですから!
――ほかの九勇士の方々とはどんな関係でしたか。
キャラクターが違うので、それぞれでしたが、初演で一緒だった人も多かったので、新しく映像で入ってきた人たちを受け入れつつ、チームワークをそのまま維持していこうという思いが強かったような気がしますね。(主演の中村)勘九郎さんがすごく視野が広くて、気配りができる人なので、ちゃんとひとりひとりを受け止めていました。
――松坂さんは「侍戦隊シンケンジャー」出身だし、主演映画『ガッチャマン』もありますから、アクションは得意な分野ですよね。
どうだろうなぁ。う~ん。得意ではないですよ。今回もそうですけど、ちゃんと練習しますから。体を動かすのは好きですが、得意ではないです。
――でも、運動神経はいい方ですよね。
いや、たぶん、並だと思います。並の中くらい(笑)。それこそ、勘九郎さんなんて、本当に素晴らしい身体能力なんですよ。軸もしっかりしていて、すごく機敏なんです。
――ひとりひとりのキャラが立っているので、キャラらしい動きが求められているのでしょう。ダイナミックな動きは松坂さんならではだと思いました。
才蔵の場合はゆらっとしていて、急に機敏になるというか、緩急をつけたかったんですが、体がついていかないですね。自分のイメージのなかでは「ゆらっとして、シュパパパパ」っていう動きなんですけど(苦笑)。
――頭と体が別の感覚になることはありましたか。
全速力で走っていたときは「あれ? もうちょっと走れると思ってたんだけど……」とか、全然、ありました。実際、やってみた結果、足、追いつかないないなぁって。今回、「忍者って少年漫画を地でいくようなものだな」と改めて、確信しました。でも、演じられて、これほど、うれしいものはないですね。やっぱり、男の子の憧れですから。
――憧れてましたか。
憧れてましたね。手裏剣を投げる練習をしてましたから。表から投げるのか、バックハンドで投げるのかとか、研究しながら。日光江戸村かどこかに行った時に一度だけ、お土産用の鉄のやつを買って帰った記憶があるんです。子供だったので、お小遣いもそんなに持ってなかったので、たくさん、買うことができず、一枚だけ買いました。それを外で投げては取りに行き、投げては取りに行きしてました。一個しかないから(笑)。
――今回、その練習の成果が……。
ええ、まったく生かされていません(笑)。
Text : Aki Takayama Styling : Akira Maruyama Hair&Make : Emily
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松坂桃李(まつざか・とおり)/1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。09年に「侍戦隊シンケンジャー」にてデビュー。11年『僕たちは世界を変えることができない。』『アントキノイノチ』の2作で第85回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第33回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。その後は映画、テレビドラマ、CMなど多方面で活躍している。9月4日まで舞台「娼年」に出演。映画『秘密 THE TOP SECRET』が公開中。出演映画『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日公開予定。菅田将輝とW主演の『キセキ - あの日のソビト -』は17年新春公開予定。
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『真田十勇士』
関ヶ原の戦いから14年。天下統一の総仕上げにかかっていた徳川家康の前に名将・真田幸村が立ちはだかる。が、世に知られる彼の伝説的な活躍の仕掛け人は実は猿飛佐助だった! 鬼才・堤幸彦監督による時代劇エンターテインメントは大胆な解釈で送る、壮大な世界観の人間ドラマ。主演の佐助に中村勘九郎。松坂は佐助の相棒で十勇士の一人、容姿端麗の天才忍者・霧隠才蔵役。彼のあとを追う佐助と才蔵の幼馴染の火垂役に大島優子。
出演/中村勘九郎、松坂桃李、大島優子、加藤雅也ほか
監督/堤幸彦
脚本/マキノノゾミ
公式HP/http://sanada10braves.jp/
9月22日(木)より全国ロードショー
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問い合わせ先/ポール・スミス リミテッド tel. 03-3478-5600
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