2018年ブレイク度No.1。吉沢亮のミステリアスな素顔に迫る
2018/02/09(金)
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重たい役のほうがやっていて楽しい

―「この原作のこの役をやりたい」とか、自分から発信したりしますか。
 
役者って基本的には誰かにお話いただいたときに、全力でやるのがいいのかなと思ってはいます。そうはいいながらも、やっぱり「この役、やりたい!」っていうのはあります。暗い役の方が多いですけど(笑)。逆に何も考えてない、バカみたいな役をやりたい気持ちもあります。実は、3年前くらい前、ドラマで三枚目のムードメイカーの役を演じることが多くて、それはもうしばらくいいかなって思ったんですけど、最近暗い役ばかり続いてると、逆にまた、三枚目をやりたいという気持ちになってきました。
 
―『斉木楠雄のΨ難』の海藤瞬は三枚目ですが……。
 
あれは本人からしたら、三枚目ではないです。あれは本当に悪の組織『ダークリユニオン』と戦っているので、ふざけた役ですけど、超ガチでやってました(笑)。楽しかったです。
 
―しかし本当に去年、今年と続々と出演作品が公開されていますね。今年は『リバーズ・エッジ』のほかに主演作含めて6作品も公開されます。
 
多いですね。今年は特に立て続けに公開するので、すごい楽しみです。少し前、ちょうど毎クール、ドラマが入っているような時期で、それもすごくありがたかったんですけど、ドラマって、体力を使うんです。台詞をどう言おうとか、考える前にどんどん消費していくから、脳と体が現場のスピードに追い付いていないような状況で、「もうちょっとゆっくり考えながら、お芝居をしたい」ってマネージャーさんに相談したんです。それで、「映画をやろう」と提案してもらったのが、3年くらい前。そうして、やってきたものが形になる年なんだなと感慨深いですね。『リバーズ~』みたいなエッジの効いた、若者に刺さるような作品もあれば、『ママレード・ボーイ』のようなキラッキラしたのとか、いろんな種類の作品が公開されるので、そういう意味ではひとつ、勝負の年だなと思って、楽しみです。なんかドキドキします。
 
―周囲の変化は感じていますか。
 
「この作品、観たよ」とか、「あれ、出るんだね」という周りの反響はすごく増えましたね。
 
―もともと映画にたくさん出たいという願望は強かったんですか?
 
ドラマももちろん好きなんですが、どうしても映画の撮影のほうが1シーン、1シーン、ぎゅ~っと撮っているイメージがあります。作品にもよりますけど、僕のリズムには合っている気がするんです。ドラマだとどうしても、朝から晩までセットでまとめて撮ったりする。移動して、「はい台詞」みたいな感じで、まだそこに追い付けるまでの技量が僕にはないなと思いながらもやっていたので、もうちょっと時間をかけて、映画でいろんなことを学びたいと思っていました。

―でも、時間をかけて、今回の山田のような役を演じていたら、その役を切り離すのが大変じゃないですか。
 
あんまり、そういうのを感じたことがないです。意外と重い作品の方が、やっていて楽しいです。気持ち悪い役とか、やっていてすごく楽。むしろ、キラキラの方が難しい。どうやっていいのかわからない。きっと自分は気持ち悪い人間なんだろうなって思うんです。僕、基本的に自分のことを人には言わないんですけど、内面的に抱えているものとか、自分でも嫌だなと思うことが多くて、お芝居をしていても、闇を抱えている役や気持ちの悪い役の方がすごくリラックスしてできるんですよね。何か自分のギアみたいなものを上げないでやれるから、楽なテンションでやれる。それこそ、キラキラ二枚目、三枚目の方は、どこか自分のなかのどこかのスイッチを入れて、「よし!」ってなってから、やるというようなところがあります(笑)。
 
―『銀魂』の沖田総悟、えらく、かっこいいです。
 
あれはお芝居といっても、“型”みたいなもの。感情どうこうというより、大人気原作で、役自体もすごく一貫した役だったので、「こういう、すんとした顔で、これくらいの声のテンションで、こういう口調」というのを完全に決めてやっていたので、そこはすごく疲れました。ちょっとでもずれると「あ、違うかも」と思いながら芝居しているのは、感情ではないから大変でした。
 
―逆に今回の山田は一瞬、すごい気持ち悪い顔をするシーンがありますね。
 
なんであんな顔をしていたのか、映画を観て、僕も不思議でした。全然、覚えてないんです。「そんな顔しなくてよくない? その顔必要?」って自分でも思いました(笑)。でも、やってたときはいろんな感情が入り混じってた気がします。初めてカンナっていう存在をちょっと認めるシーン。山田っていろんなことをあきらめなきゃいけない。でも、キラキラした世界にちょっとうらやましさを感じてる。その男を前にカンナは、自分の夢ばかり語る。そんなふざけた彼女がすごく嫌いだったけれど、彼女の薄っぺらい、キラキラみたいなものが全部なくなって、とある存在になったときに、彼女も生きてたんだなと感じてたんでしょう。喜び、悲しみ、複雑な思いがすごくあった。でも、なぜ笑っていたんだろう。わかんないんです。あのシーンは本当に覚えてないんです。
 
―もともと、根暗だったとはいえ、最近は変わりつつ、ありますか。
 
最近はちょっと、ちゃんと人と関わらなきゃと思うようになってきました。現場によっては、同い年の役者ばかりで、自分が最年長だということもたまにあったりするんです。自分がちゃんとしなきゃって思いますね。お芝居的に空間づくりというか、これまでみたいにひとりで、自分の役だけにひたすら向き合っているだけじゃダメだなと思うことが増えてきました。人見知りなのをあんまり、出さないようにしています。
 
―芸能界の友だちはいますか。
 
すごく仲がいいのは岸洋佑っていう、「宇宙戦隊キュウレンジャー」をやっている男の子なんですけど、高校からの付き合いで結構長くて、よくご飯行ったりしています。仕事の話もしますけど近況くらいで、それよりもどうでもいい話をして、げらげら笑ってるようなことの方が多いです。自分からも誘いますし、誘われていくこともあります。でも、自分から誘うことの方が多いかな。だって家にいて、そこから急に誘われて用意して出かけるのは、面倒くさくないですか(笑)。だったら自分が「ご飯行きたい」「飲みに行きたい」と思って、誰かを誘う方がいいです。
 
 

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Photo:Toshiki Hiraiwa Styling: Daisuke Araki Hair & Makeup:Manami Kiuchi(Otie) Interview & Text: Aki Takayama

  • Profile
    吉沢亮/1994年2月1日生まれ、東京都出身。09年、「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン」で受賞し、デビュー。仮面ライダーフォーゼの朔田流星/仮面ライダーメテオ役で注目を浴び、テレビドラマ・映画と活躍の場を広げる。主な出演映画に『アオハライド』(14)、『さらば あぶない刑事』『オオカミ少女と黒王子』(16)、『トモダチゲーム』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』(17)など。今年の公開予定作品は『ママレード・ボーイ』(4月27日公開)、『猫は抱くもの』(6月23日公開)、『あのコの、トリコ』ほか。

  • 『リバーズ・エッジ』
    ハルナ(二階堂ふみ)は、彼氏の観音崎(上杉柊平)からいじめられている山田(吉沢亮)を助けたことで、彼から、河原に放置された<死体>の存在を打ち明けられる。後輩でモデルのこずえ(SUMIRE)もまた、死体の秘密を知っているという。3人は不思議な友情で、結託していくが、ゲイであることを隠している山田にはカンナ(森川葵)というガールフレンドがいて……。閉ざされた学校生活のなかで渦巻く、爆発寸前の人間模様。90年代、雑誌「CUTiE」で連載され、青春漫画の金字塔として熱狂的支持を集めた岡崎京子の代表作の実写映画化。監督は行定勲。2018年2月16日公開。
    http://movie-riversedge.jp/

  • 問い合わせ先/
    3.1 フィリップ リム ジャパン tel.03-5411-2870
    http://31philliplim.jp/

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