日本の新世代映画監督、注目すべきはこの4人!
2018/04/21(土)
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『赤色彗星倶楽部』より

武井佑吏x『赤色彗星倶楽部』

武井佑吏監督は1992年生まれ、群馬県出身の26歳。早稲田大学映画研究会にて映画制作を開始、『僕のオードーブル』(13)では12分ワンカットによる淡い恋愛を描いてみせた。現在はテレビマンユニオンのディレクター。
初長編作品『赤色彗星倶楽部』は、PFF アワードや田辺・弁慶映画祭、東京学生映画祭など2017年のインディペンデント系映画祭を席巻。今年、ポレポレ東中野で1週間限定上映された際には連日満席を記録したばかり。相米慎二監督の『台風クラブ』(85)を彷彿とさせる本作だが、好きな監督に大林宣彦を挙げているように映像や音楽、編集のセンスにはその影響を感じさせる。80年代日本映画の精神を継承しながら、青春の一コマが有限であることを改めて悟らせる『赤色彗星倶楽部』の切なさは、多くの映画ファンを魅了するに違いない。

★最新作『赤色彗星倶楽部』
数十年に一度だけ観測できるという赤色彗星。「彗星が通り過ぎる瞬間、強力な地場によってタイムパラドックスが生じる」という奇妙な学説を知った天文部の仲間たちは、 彗星と同じ物質を原料に強い磁力を持った“彗星核”を作ることを思いつく……。タイトルのセンスが抜群である本作は、インディペンデント映画の登竜門である第11回田辺・弁慶映画祭でグランプリに輝いた。ヒロインを演じた手島実優は注目の若手女優。京都国際映画祭クリエイターズ・ファクトリーのグランプリなど2017年のインディペンド映画界で数々の賞に輝いた中川駿監督の『カランコエの花』(16)にも出演。儚さを纏いながら物語を牽引してゆく彼女の魅力は見どころのひとつといって過言ではない。https://www.facebook.com/red.comet.club
(テアトル新宿の「田辺・弁慶映画祭セレクション」にて5月12日より上映。青山シアターで有料配信中。)

【『赤色彗星倶楽部』予告編】

 

text: Takeo Matsuzaki

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)

    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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