セレブコラム
2018/03/29(木)
松崎健夫の映画ゼミ

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』、 これを知ると10倍面白くなる!

これまで見てきた映画は約2万本! 『ZIP!』などで活躍中の映画評論家・松崎健夫さんが独自の視点で解説する「映画ゼミ」連載企画第9弾。今回は、ハリウッドの2大スターが共演する大人のサスペンス映画に迫る。

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『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』トム・ハンクス(Tom Hanks)メリル・ストリープ(Meryl Streep)

実在のジャーナリストたちの闘いを描く、迫真の社会派ドラマ。

スティーヴン・スピルバーグ監督の新作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(17)が、3月30日より全国公開となる。先日開催された第90回アカデミー賞授賞式では受賞こそ逃したものの、作品賞と主演女優賞で候補となっていた作品だ。主演女優賞候補となったメリル・ストリープは、主演と助演を合わせるとこれが計21回目のノミネート。もちろん、ハリウッド女優として歴代最多である。

ワシントン・ポスト紙発行人 キャサリン・グラハム(Katharine Graham)、編集主幹 ベン・ブラッドリー(Ben Bradlee)

そんなメリル・ストリープが演じているのは、夫の急死によって専業主婦から、アメリカの主要新聞で初めて女性の新聞発行人となった実在の人物キャサリン・グラハム。彼女は、トム・ハンクス演じるワシントン・ポスト紙の編集主幹ベン・ブラッドリー(こちらも実在の人物)と共に、国家の最高機密文書<ペンタゴン・ペーパー>を新聞紙上で公表するか否かの決断を迫られる。

トム・ハンクス演じるベン・ブラッドリー(Tom Hanks)メリル・ストリープ演じるキャサリン・グラハム(Meryl Streep)

当時の大統領リチャード・ニクソンは、国家の安全保障を脅かす行為だとして、あらゆる手段で記事を差し止めようとする。守られるべきは、国家の機密なのか、それとも報道の自由(国民の知る権利)を掲げる憲法なのか。

 映画の舞台は1971年のアメリカ。ヴェトナム戦争が泥沼化し、国内で反戦の気運が高まっていた時代である。今回の「映画ゼミ」では、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』をより楽しめるために見ておきたい、あるいは、鑑賞後さらに楽しめるという3本の映画について学んでみよう。

【『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』予告編】

 

text: Takeo Matsuzaki photo: AFLO

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)

    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

  • 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

    “ペンタゴン・ペーパーズ”は、アメリカ国防総省のベトナム戦争に関する極秘報告書。ある日、その文書が流出し、一部が「ニューヨーク・タイムズ」によってスクープされた。「ワシントン・ポスト」で働くアメリカ史上初の女性発行人キャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)と編集主幹のベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は、政府を敵にまわしても残りの文書を入手するべく奔走する。監督スティーヴン・スピルバーグ。3月30日、全国公開。

    http://pentagonpapers-movie.jp

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