全米で大ヒット! 『ワンダーウーマン』に女性が熱狂する5つの理由
2017/08/25(金)
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パーティシーンでは美しいドレス姿を披露。

理由1:

女性が主役の初のアメコミ映画である

ここ10数年、<アメリカン・コミック>=<アメコミ>を原作とするハリウッド映画が世界的な興行を牽引し、多くのメガヒット作品を世に送り出している。その中でも『アイアンマン』や『スパイダーマン』を生んだマーベル・コミックと『バットマン』や『スーパーマン』を生んだDCコミックという、ふたつの漫画出版社による作品群は、その中心にある。
 
マーベル・コミックスとDCコミック作品は、例えば自社の人気ヒーローが集結する『アベンジャーズ』をマーベルが製作すると、今度はDCが自社のヒーローを集結させた『ジャスティス・リーグ』を製作するなど、常にお互いをライバル視しながら、異なったアプローチで人気作品を生み出してきた。しかし、それらの集結メンバーに着目すると、その多くが男性ヒーロー。スーパーマンの従妹を描いたDCの『スーパーガール』(84)や、マーベルの『デアデビル』(03)に登場するヒロインを主役にしたスピンオフ『エレクトラ』(05)など、女性ヒーローを主役に据えた作品の例はいくつかあるものの、主流であるとは言い難い。
 
例えば、スカーレット・ヨハンソンが演じている“ブラック・ウィドウ”は『アベンジャーズ』シリーズだけでなく、『アイアンマン2』(10)や『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14)にも登場しているが、今のところ単独の作品は作られていない。それはDCの『スーサイド・スクワッド』(16)でマーゴット・ロビーが演じて人気を得た“ハーレイ・クイン”もまた同様だ。
 
DCコミックの女性ヒーローを主役にした『ワンダーウーマン』は、そんな現状を打破するように登場。時代の流れから、生まれるべくして生まれた作品なのだともいえる。

text: Takeo Matsuzaki photo: AFLO, GETTY IMAGES

  • 『ワンダーウーマン』
    女性だけが住むパラダイス島で生まれた“ワンダーウーマン”ことダイアナ(ガル・ガドット)は、アマゾン族のプリンセスとして育てられてきた。ある日、不時着したアメリカ人パイロットのスティーブ(クリス・パイン)を助けたことから、ダイアナは外の世界で大きな戦争が起きていることを知る。彼女は世界を救うためスティーブとともに故郷を後にし、禁断の外界で平和のために戦うのだが……。1941年に漫画のキャラクターとして誕生してから76年。初めての実写映画化となった『ワンダーウーマン』は、全世界で大ヒットを記録。また本作は、DCコミックのヒーローたちが活躍する連作<DCフィルムズ・ユニバース>の第3作としても製作されたという経緯がある。8月25日より、全国公開。

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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