スカヨハ主演、『ゴースト・イン・ザ・シェル』を徹底研究!
2017/04/06(木)
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クールなヒロイン、“草薙素子”に世界が熱狂!

伝説の原作アニメ『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』とは?

1980年代以降、人間の身体や意識が機械的に拡張されることでテクノロジーが発達する近未来を描いたSF作品群を<サイバーパンク>と呼ぶようになった。『ブレードランナー』(82)や『ロボコップ』(85)などは、その流れの中でカルト的な人気となった映画たち。日本のアニメーション映画『AKIRA』(88)や『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』も<サイバーパンク>の系譜として世界的に評価されたという経緯がある。
 
それを裏付けるように、1996年にはアメリカで『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のビデオソフトが発売。ビルボード誌のビデオチャートで全米1位となる快挙を達成した。実写版でスカヨハが演じたシリーズのヒロインは、草薙素子(くさなぎ・もとこ)。サイボーグ化された肉体の身体能力の高さはもちろん、サイバーテロと戦う素子自身が優秀なハッカーであり、そして美形。哲学的な言葉を放つその完璧なキャラクター設定はファンを魅了し続け、2013年の新シリーズ『攻殻機動隊 ARISE』では彼女の過去も描かれた。

さらに続編『イノセンス』(04)は、日本のアニメーション作品として初めてカンヌ国際映画祭のコンペティション作品に選ばれるなど評価された。それと時期を同じくして、本来は揶揄的な意味を持っていた<ジャパニメーション>という言葉が、クールな文化という意味に変化して一般的になっていったのだ。

(c)1995 士郎正宗/講談社・バンダイビジュアル・MANGA ENTERTAINMENT

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を監督した押井守の作品は「我々が暮らす“現実世界”とは何であるのか?」と問い続けているという特徴がある。例えば、“文化祭の前日という同じ日が繰り返される”不条理を描いた『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(84)や、 “我々は同じ舞台の上で自分という名の役を演じているに過ぎない”と描いた漫画『とどのつまり』(押井守が原作)。インターネットの中に侵入してゆく電脳世界を描いた『攻殻機動隊』は、押井守のオリジナルではなく士郎正宗による漫画が原作だが、仮想現実という点で実に押井守的な題材であったのだ。

  • 『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』
    監督:押井 守
    Blu-ray・DVD発売中
    販売元:バンダイビジュアル

    『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』  
    『ゴースト・イン・ザ・シェル』の日本語吹替版上映では、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』でヒロイン草薙素子の声を演じた田中敦子が少佐役を、大塚明夫がバトー役の声を演じ、オリジナルコンビの復活がアニメ版のファン心をもくすぐる!

Text: Takeo Matsuzaki

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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