>
<

ケン・ローチ監督の最新作『天使の分け前』(写真上)は4月13日(土)公開。息子ジム・ローチ初監督作『オレンジと太陽』(写真下)はDVD発売中
 

4/4

英国のケン・ローチ親子にも注目

息子が父の後を継いだ監督といえば、英国の社会派の雄ケン・ローチも忘れてはいけないだろう。『麦の穂をゆらす風』(06年)でカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞しているが、去年のカンヌのコンペに出品された『天使の分け前』でも審査員賞を受賞している巨匠である。
 
トラブルばかり起こしている青年ロビーが、ガールフレンドの妊娠をきっかけに、更生を決意。ウィスキーづくりを通して、新しい人生を切り開いていくというハートフルなヒューマンドラマだ。インテリながら、労働者階級を擁護する「戦う映画監督」の姿勢を貫いてきた硬派のローチだが、この映画における温かみのある視点は、円熟期の到来を感じさせるものだ。
 
そんなローチの息子、ジム・ローチの初監督作品は『オレンジと太陽』だ。イギリスで1970年まで行われてきた「児童移民」を明らかにしたマーガレット・ハンフリーズの『からのゆりかご 大英帝国の迷い子たち』を原作とする社会派ドラマ。こちらも血は争えないというか、同じ路線を歩んでいるようだ。
 
子供は親の背中を見て育つというが、ひとり立ちした息子たちの今後の成長ぶりが楽しみだ。

  • 『天使の分け前』
    監督/ケン・ローチ
    出演/ポール・ブラニガン、ジョン・ヘンショー
    配給/ロングライド
    公式サイト/http://tenshi-wakemae.jp/
    2013年4月13日(土)より、銀座テアトルシネマほか全国順次ロードショー
     
    (C)Sixteen Films, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve, Urania Pictures, France 2 Cinema, British Film Institute MMXII  

  • 『オレンジと太陽』
    2012年 DVD発売中 ¥4,935
    監督/ジム・ローチ
    出演/エミリー・ワトソン、デヴィッド・ウェナム
    発売元・販売元/角川書店
    (c) Sixteen Midlands (Oranges) Limited/See-Saw (Oranges) Pty Ltd/Screen Australia/Screen NSW/South Australian Film Corporation 2010

「血は争えない? 映画界にみる“親子対決”が熱い!」トップへ

text : Atsuko Tatsuta

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へセレブコラム一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト