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デヴィッド・クローネンバーグ(左)と息子のブランドン・クローネンバーグ(右) photo : Getty Images

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いばらの道を選んだ子供たち

親と同じ職業を選ぶことは、世間から比較されたりとなかなか本人にとっては厳しいもの。偉大なるアーティストやスポーツ選手など注目度が高い親をもてばなおさらだ。
 
映画監督もそういう二世がときどき登場するけれど、本当に成功しているのは、ジョン・カサヴェテスの息子ニック・カサヴェテスやフランシス・F・コッポラの娘ソフィア・コッポラくらいかも。ニックの場合は、ハリウッド風のウェルメイドな語り口で、“インディーズの父”といわれた父とは正反対の作風だし、ソフィアの場合は、なんたって“ガーリー・ムービー”という巨匠パパ・コッポラが足を踏み入れられない聖域で勝負している。
 
ところが、ブランドン・クローネンバーグは、勇敢にも父と同じ道を選んだ。ブランドンの父、デヴィッド・クローネンバーグは、『ヴィデオドローム』(82年)でカルト的な注目を浴び、『デッドゾーン』(83年)、『裸のランチ』(91年)、『クラッシュ』(96年)といったグロテスクな身体描写で知られるカナダの鬼才。最近では『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(05年)や『イースタン・プロミス』(07年)などで成功を収め、もはや巨匠といえる存在だ。
 
ブランドンは、デヴィッドの2番目の妻との間にできた長男で1980年生まれの32歳。デヴィッドの新作『コズモポリス』は、去年の5月に開催されたカンヌ国際映画祭のコンペティション部門でワールドプレミアされたが、ブランドンは、同映画祭の「ある視点」部門で監督デビュー作『アンチヴァイラル』を上映。親子対決に注目が集まった。

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text : Atsuko Tatsuta

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