アンジー渾身の監督デビュー作にみる“真実の愛”とは?
この夏、愛についてじっくり考えたくなる映画が続々公開。アンジェリーナ・ジョリーの長編初監督作となる『最愛の大地』は、紛争によって引き裂かれた恋人たちの運命を描くラブストーリー。もう1本は、熟年夫婦の危機をコミカルに描いた『31年目の夫婦げんか』。あなたならどちらを観に行く?
平凡な熟年夫婦が初めて本音をぶつけ合う!
極限状態でなくても、愛に疑問はつきものだ。平凡すぎるくらい平凡な毎日を送っている夫婦に訪れた愛の危機を描いたのが、『31年目の夫婦げんか』である。
子供たちも成人し、夫(トミー・リー・ジョーンズ)とふたりきりの生活を送っている主婦のケイ(メリル・ストリープ)は、ある日、自分の生活にかつてはあったはずの愛や情熱が欠けていることに気づく。夫は、妻の顔もほとんど見ることなく朝食を食べ、仕事に出かけ、帰宅すれば夕食をとり、テレビを見て、別々の寝室に消えていく。こんな生活にはもう我慢が出来ない! 人生に輝きを取り戻したいケイは、リゾート地で集中的に行われる夫婦セラピーに申し込むが……。
「長年連れ添った夫婦なんてこんなものでしょう」という声も聞こえてこないでもないが、それでも愛を求めたケイの勇気ある挑戦には拍手を送りたい。こんな映画がきっかけで、絆を確かめ合う夫婦が増えればいいけれど!
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『31年目の夫婦げんか』
監督/デヴィッド・フランケル
出演/メリル・ストリープ、トミー・リー・ジョーンズ
配給/ギャガ
公式サイト/31years.gaga.ne.jp
TOHOシネマズ シャンテ、新宿シネマカリテ他にて公開中
text : Atsuko Tatsuta