アンジー渾身の監督デビュー作にみる“真実の愛”とは?
この夏、愛についてじっくり考えたくなる映画が続々公開。アンジェリーナ・ジョリーの長編初監督作となる『最愛の大地』は、紛争によって引き裂かれた恋人たちの運命を描くラブストーリー。もう1本は、熟年夫婦の危機をコミカルに描いた『31年目の夫婦げんか』。あなたならどちらを観に行く?
紛争に引き裂かれた恋人たちの運命
アンジェリーナ・ジョリーが10年以上に渡って慈善活動に励み、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使として活動していることはもはや世界中が知るところ。「映画製作はブラッド(・ピット)の仕事。私は、女優として撮影に入っていない時は子供たちと過ごしたり、慈善活動をして過ごしたいの」。以前は、こう語っていたアンジーを監督デビューに向かわせたのは、やはり人道的なテーマだった。
物語の背景は、1992年から1995年まで続いたボスニア・ヘルツェコビナ紛争だ。旧ユーゴスラビア解体の流れで、1992年3月に誕生したボスニア・ヘルツェゴビナ。ムスリム人、セルビア人、クロアチア人からなる多民族国家だが、この国の政治権力は多数派のムスリム人が握っていた。冷遇されたセルビア人はボスニア・ヘルツェゴビナからの分離・独立運動を始め、やがて武力に訴えるようになる……。
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『最愛の大地』
監督・脚本/アンジェリーナ・ジョリー
出演/ザーナ・マリアノヴィッチ、ゴラン・コスティック
配給/彩プロ
公式サイト/http://saiainodaichi.ayapro.ne.hp/
2013年8月10日(土)~、新宿ピカデリー他全国ロードショー
text : Atsuko Tatsuta