SF映画黄金期の到来!? この秋はあのカルト作の続編に注目
今年の秋も話題作が続々と上陸するなかで、エルが注目するのは、カルト的人気を誇るSF超大作の続編。立田敦子さんが推す2本の最新作をチェック。
最新『ブレラン』は短編からチェックするともっと面白く
1本目は、『ブレードランナー 2049』。1982年にフィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作にリドリー・スコットが監督した『ブレードランナー』の35年ぶりの続編。
前作の舞台は、2019年。環境破壊によって荒廃した地球で、遺伝子工学により開発された人造人間“レプリカント”が奴隷のように使われていた。反乱を防ぐため寿命は4年。人間を殺害して脱走したタイレル社の最新型レプリカント・グループを「解任」する任務を請け負った専任捜査官「ブレードランナー」のリック・デッカード(ハリソン・フォード)が主人公。当時、一匹狼と美しいファム・ファタール=レプリカントのレイチェル(ショーン・ヤング)によるフィルム・ノワール的なストーリー展開、シド・ミードによるフューチャリスティックな美術などは熱狂的に迎えられ、カルト映画となりました。
含みを残すエンディングだったこともあり、その後、何度も続編の製作のウワサが持ち上がったが、映画の舞台となった2019年を目前に控えた今年、ついに「その後」の世界が描かれる続編『ブレードランナー2049』が公開に。監督は『メッセージ』など今、ハリウッドで最も注目されているドゥニ・ヴィルヌーヴ。リドリー・スコットは、製作総指揮として参加しています。
舞台は、タイトル通り2049年。LA市警のブレードランナー“K ”(ライアン・ゴスリング)は、ある任務の中でレイチェルに関する秘密を知り、真相を探るために行方不明のデッカードを探す。環境汚染や作業ロボットなど前作で描かれた未来が現実になりつつある今日、物語は来るべき未来に直面する現実ではなく、「生命」や「感情」「愛」といった根源的なテーマをより深く掘り下げている点が興味深い。どこか懐かしく、物語に共感できるのもそのため。
ちなみに、2019年から2049年までの間に起こった出来事については、3本の短編がつくられていてYouTubeなどで視聴可能。映画中にも言葉で説明されているので、これらの短編を観ていないとストーリーが理解できないということはありませんが、映画を見終わった後に観ると、「なるほど、こうなっていたのね」とよりストーリーを理解でき、より登場人物たちに感情移入できるはず。
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『ブレードランナー 2049』
監督/ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演/ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、ロビン・ライト、ジャレッド・レト
配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト/http://www.bladerunner2049.jp/
2017年10月27日(金)より全国公開
Text: Atsuko Tatsuta