香りの意義を変革し（嫌な匂いを隠すためでなく、よい香りを清潔な身体にまとう）、種々の香りの調合による香水のアート時代をけん引したマリー・アントワネット。オーダーメイドで香りを作った当時、四季の花々のニュアンスを統合した"ブーケ・フローラル”を望み、形にしたことも現代への大きな遺産だ。エリザベット・ドゥ・フェドーさんの香りのブランド「ARTY FRAGRANCE」のコレクションのなかにある「Le Rêve de la Reine（レーヴ・ド・ラ・レーヌ）」は、古書をひも解き、マリー・アントワネットが愛した香りを現代に蘇らせたもの。「トップノートは、ベルガモット、マンダリン、ペッパーローズとフレッシュな立ち上がりの後、ミドルは、2種のバラを中心にアイリスの香りでうっすらと覆い、香りを維持するためのラストノートにヒマラヤ杉、バニラ、ムスク。花の香を含んだ野原の香気を思わせる香りは、王妃が愛し、求めた自由と自然を彷彿させます」（エリザベットさん）