和食の基本スタイル「一汁三菜」って?
和食はよく「一汁三菜」と言うけれど、一体なぜそのようなスタイルになったのだろうか。一汁三菜は決まりごとなの? など、和食膳の形にまつわる素朴な疑問を赤坂の老舗器店「陶香堂」取締役の吉岡速人さんがレクチャー。
和食の形式としてよくいわれる「一汁三菜」は、もともと懐石のスタイルから始まったものです。ごはん、汁物、主菜1品、副菜2品がその基本といわれていますから、和食器をこれから求めるのなら、まずはその5つを揃えてみるとよいでしょう。形にこれといったルールはないけれど、「陰陽」のバランスを心がけてみるのもポイント。まる=「陽」と、角=「陰」、どちらかに偏らないように器を揃えると、お膳の中がしっくりと落ち着きます。形と同様、器の高さにメリハリをつけてみるのもいいですね。そして、和のしつらえには季節感が必須。鉢や椀を季節ごとに変えるのは大変ですが、箸置きや小物に季節の要素を取り込んで、日本人らしい遊び心を楽しんでください。
Photo : Teruaki Kawakami Styling : Misa Nishizaki
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教えてくれたのは……
陶香堂
東京・赤坂の陶器店。創業79年、宮内庁献上品も扱う老舗。全国の窯元とのつながりも深く、オーダーメイドも可能。
東京都港区赤坂3-21-12
tel. 03-3583-3915
http://www.utsuwa-tokodo.co.jp/