特集 2017/2/20(月)
世界のおやつfrom Helsinki/歌野 嘉子

北欧の冬のスイーツ「ラスキアイスプッラ」

バレンタインって何でしたっけ? フィンランドからはそんな声が聞こえてきそう。というのも、フィンランドの人々の間でこの時期に話題をさらうスイーツは、チョコレートではないのです! みんなが一度は食べないと気が済まない、北欧の冬の甘味に迫ります。

ちなみに、私はスウェーデンで伝統のアーモンドペーストをいくつ食べても絶対に心が動かないほどのラズベリージャム派。ホイップクリーム&ベリージャムは、何にも代えられない最強タッグだと思っていたのです。ところが、ラスキアイスプッラを食べて12年目のこの冬、ついに私の心を完全に奪う新種に出会ってしまいました。

「ラスキアイスプッラ」 3,50ユーロ(約¥420)

ヘルシンキの街角で10年以上に渡り良質なチョコレートを提供しているチョコレート専門店「Chjoko(ショコ)」。ショコラティエのミカ・グロンダールさんが、ラスキアイスプッラに取り組んだ結果がこの姿です。食べやすいようにと改良された形は、なんとホットドッグ型。確かに食べてみるとびっくりするほどテーブルも口の周りも汚れません。オフィスでのミーティングには気を遣って用意できなかったラスキアイスプッラですが、これならば問題なし! そして気になる中身はなんと総チョコレート仕上げ! ヌテラをたっぷり塗ったパンに、ダークチョコレートのクリームがたっぷり絞ってあります。しつこいように見えますが、これが最高の組み合わせ。甘すぎず、カカオの味がしっかりしていて頰張る度に幸せです。通常の丸い形でチョコクリーム&ラズベリージャムというタイプもあるそうですが、どちらも午後には売り切れてしまう人気商品とのこと。(ちなみにチョコ&ラズベリーも超絶美味でした)
そういえば、私がインタビューしている際にお店に入ってきた男性……。
「何々? 今話してたの、おいしそう。そのラスキアイスプッラひとつください」
「はいはい、これでラスト1個よ」
「ラッキー!」
チョコフレーバーが、アーモンド、ラズベリーに続くラスキアイスプッラの定番の味として広く認知される日も近いと予言しておきます!
 
さて、ここまで読んだら食べたくなってきたのでは? そこで、おすすめのジャム版レシピをご紹介しておきますね。フィンランド流の分量なので仕上がり個数は大量ですが、シーンに応じて調整して作ってみてください!

ラスキアイスプッラ(ジャム入り)
材料(12個分)
牛乳 2カップ
生イースト 50g(ドライイーストの場合は20g)
A
 砂糖 85g
 塩 小さじ1
 カルダモン(挽いたもの) 小さじ2
 卵 1個
 アーモンドペースト 75g
 小麦粉 780g
 バター 150g
卵液 適量(表面に塗る分)
ラズベリージャム 適量
ホイップクリーム 200ml
あられ糖・粉砂糖 適量(表面にふる分)
 
作り方
1. 人肌程度に温めた牛乳にイーストを溶かし、Aを小麦粉まで順に加えて混ぜる。
2. 生地がまとまり始めたら室温に柔らかくしたバターを混ぜ込む。
3. 生地に布をかけて30分ほど寝かせる。
4. ガス抜きをした生地を丸く12個に成形し、布をかけて二次発酵させる。
5. 生地が膨らんだら卵液を表面に塗り、200℃に予熱したオーブンで20分焼く。
6. 粗熱をとったパンの上部1/3くらいをスライスし、下の生地の中をスプーンでくりぬいてジャムを入れる。
7. 好みの甘さに泡立てたホイップクリームをジャムの周りに絞り出す。
7. 切っておいた6を蓋のように乗せ、上にあられ糖や粉砂糖をふる。
 
 
さて突然ではありますが、連載「世界のおやつ」シリーズ終了にともないまして、フィンランドからのおやつレポートも最終回となりました。フィンランドには、まだまだ土地の美味しいおやつがいっぱい! すべてご紹介できないのが残念ですが、またどこかで皆さまにレポートできる日を楽しみに私のおやつ修行は続きます。その時まで、モイモイ!(moimoi、さよなら!の意)

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  • Leipomo Keisari(レイポモ・ケイサリ)
    Liisankatu 18, 00170 Helsinki
    tel. +358(0) 40 747 1107
    営業時間/7:30~18:00 土曜9:00~15:00
    定休日/日曜
    http://www.keisari.com/
     
    Chjoko(ショコ)
    Liisankatu 9, 00170 Helsinki
    tel. +358(0) 400 199 868
    営業時間/平日9:00-18:00、土10:00-16:00
    定休日/日曜
    http://chjoko.com

  • 歌野嘉子(うたのよしこ)●留学、現地旅行会社勤務を経て、ヘルシンキにてコーディネート事務所を主宰。個人旅行、ウェディング、各種メディアコーディネートのほか、デザインアパートメントホテルを運営。美味しい食事とお酒、美しい器があればほかにはなにも要らない!
    http://www.officeutano.fi

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