フィンランドのクリスマスに欠かせない星型スイーツって?
待ちに待ったクリスマスシーズンの到来。クリスマスイブからの3日間は、フィンランドに静寂が訪れます。スーパーマーケットやレストランもほとんど休みになり、公共交通も最低限の運行。人々はそれぞれの家族とのあたたかな時間を過ごします。そんな時間に欠かせないのが、みんなで楽しめるクリスマスツイーツです。
さらっと登場していましたが、「ファッツェル・カフェ」でヨウルトルットゥと一緒にいただいていた飲み物も、実はクリスマスに欠かせない味です。これは、「グロッギ(glögi)」という温かい飲み物で、赤ワインやジュースでスパイスを煮出して作る冬ドリンク。ヨーロッパ各地で楽しまれるホットワインに非常に近いです。(グロッギという名称も、元はスウェーデン語のホットワインを意味する“glögg”からきているそう)
私の好みはアルコール抜きのジュースバージョン。ブラックカラント、グレープ、ブルーベリージュースをミックスしたものが主流です。ワイン版に近い色で味もほどよく甘く、クリスマス気分も盛り上がります。今年も迷わずこれを……と思って店をのぞいたら、びっくりなトレンドが起きていたのでご紹介します。
左から3本はノンアルコールのジュースタイプで、右の1本は4,7%のアルコールタイプです。味も香りも、それぞれに随分違うのが特徴。ベースフレーバーは、左から順にアップル&シーバックソーンベリー、ルバーブ&ストローベリー&ライム、ブラックカラント、アップルワイン。どうやら、新しいグロッギスタイルがグイグイときているようです。シーバックソーンベリーのオレンジ色が鮮やかな「ミングラ(Mingla 6,90ユーロ=約¥840)」はほんのり酸味が効いて、シナモンなどのスパイスが苦手な方にも飲みやすい味。人気シェフ、ハンス・ヴァリマキ(Hans Välimäki)監修の「ヴオシケルタグロッギ(Vuosikertaglögi2016 7,00ユーロ=約¥850)」は、ローズカラーがとにかく絵になる一杯。ルバーブのやさしい甘さとライムのさわやかさが相まって軽い飲み口です。一番定番に近い色合いの「ヨウルグロッギ(Jouluglögi 7,50ユーロ=約¥910))」は、ヘルシンキ市から35kmほど北西に位置するポルヴォー市の生まれ。この土地で古くから農地を守る領主の大邸宅(マナーハウス)が、オリジナルブランドとして手がける食品シリーズの中でも人気の一本です。保存料なしのブラックカラントジュースがベースでスパイスも控えめなので、子供と一緒に楽しむ時にもぴったり。そして、一緒に試飲をした友人たちの間で人気No.1だったのが、「オメナユフラグロッギ(Omenajuhlaglögi 7,00ユーロ=約¥850)」。アップルワインとスパイスが組み合わさった味は、定番と同じ香りがしながらも味が圧倒的に軽くフルーティー。新しい飲み物という感覚です。新定番の座に最も近いかもしれません。
どのグロッギも、ヨウルトルットゥと合わせるとまた違う味わいになりそう。今年のクリスマスは、飲み比べに食べ比べ、どちらも忙しくなりそうです。
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Fazer Café(ファッツェル・カフェ)
Kluuvikatu 3, 00110 Helsinki
tel. +358(0) 20 729 6702
営業時間/7:30~22:00、土曜9:00~22:00、日曜10:00~18:00
http://www.fazer.fi
Robert’s Coffee(ロバーツ・コーヒー)
Aleksanterinkatu 52 A, 00110 Helsinki
tel. +358(0) 91 213 759
営業時間/9:00~21:00、土曜9:00~19:00、日曜11:00~18:00
http://www.robertscoffee.com※1ユーロ=¥123(2016年12月現在)
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歌野嘉子(うたのよしこ)●留学、現地旅行会社勤務を経て、ヘルシンキにてコーディネート事務所を主宰。個人旅行、ウェディング、各種メディアコーディネートのほか、デザインアパートメントホテルを運営。美味しい食事とお酒、美しい器があればほかにはなにも要らない!
http://www.officeutano.fi