特集 2016/12/19(月)
世界のおやつfrom Helsinki/歌野 嘉子

フィンランドのクリスマスに欠かせない星型スイーツって?

待ちに待ったクリスマスシーズンの到来。クリスマスイブからの3日間は、フィンランドに静寂が訪れます。スーパーマーケットやレストランもほとんど休みになり、公共交通も最低限の運行。人々はそれぞれの家族とのあたたかな時間を過ごします。そんな時間に欠かせないのが、みんなで楽しめるクリスマスツイーツです。

フィンランドにはクリスマスケーキがありません。イブに家族揃っていただくクリスマスディナーの後は、それぞれにソファやテーブルで甘いものをつまみます。これはサンタクロースのスケジュールに起因するのでは……というのが私の持論。食事前後の夕刻にサンタクロースが各家庭を訪れるフィンランドでは、サンタクロースを迎えて子供たちが歌を披露するなどしてから、お待ちかねのクリスマスプレゼントが登場します。ゆっくりテーブルでケーキをカットしていただきましょう、という時間の流れではなくなりますものね。

こんな夕べに登場するのは、温かい飲み物と一緒に手軽に楽しめるチョコレートやジンジャークッキー。そして、欠かせない定番が「ヨウルトルットゥ(joulutorttu)」です。そのまま訳すとクリスマスタルトとなるのですが、タルトというよりペストリーです。

これは自家製のヨウルトルットゥ。よく見ると、パイ生地が尖っていますよね。手裏剣のように折り畳んで成形するのが特徴なのです。別名「タハティトルットゥ(tähtitorttu)」という名前にも納得です(「タハティ」=星の意味)。中央には、プルーンジャムがたっぷりのっています。バターのサクサクと、プルーンジャムの甘さがよく合うのです。

「ヨウルトルットゥ」 2,90ユーロ(約¥350)

このシーズンにはどこのカフェでもヨウルトルットゥに出会えるのですが、こちらは老舗「ファッツェル(Fazer)」の本店カフェでぱくり! 見た目の軽さに反して、リッチな味わい。バターの香りが口に広がります。サクサクのパイと粉砂糖だけでもすでに王道スイーツの片鱗が垣間見えますが、プルーンジャムの良い仕事でバランスも完璧に。濃厚な味わいが、冬らしさを感じさせてくれます。まさに、毎年食べたくなる定番の味。
 
>>次ページでは、一歩進んだヨウルトルットゥをご紹介!

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  • Fazer Café(ファッツェル・カフェ)
    Kluuvikatu 3, 00110 Helsinki
    tel. +358(0) 20 729 6702
    営業時間/7:30~22:00、土曜9:00~22:00、日曜10:00~18:00
    http://www.fazer.fi
     
    Robert’s Coffee(ロバーツ・コーヒー)
    Aleksanterinkatu 52 A, 00110 Helsinki
    tel. +358(0) 91 213 759
    営業時間/9:00~21:00、土曜9:00~19:00、日曜11:00~18:00
    http://www.robertscoffee.com

    ※1ユーロ=¥123(2016年12月現在)

  • 歌野嘉子(うたのよしこ)●留学、現地旅行会社勤務を経て、ヘルシンキにてコーディネート事務所を主宰。個人旅行、ウェディング、各種メディアコーディネートのほか、デザインアパートメントホテルを運営。美味しい食事とお酒、美しい器があればほかにはなにも要らない!
    http://www.officeutano.fi

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