あま~い香りは秋のサイン。 この時期だけしか楽しめない特別なスイーツ
ヘルシンキからのおやつレポート。今回は、秋にしか出回らない、特別な味覚、りんごがテーマです。地元の人々も毎年楽しみにしている、季節のスイーツをご紹介します。
2皿目は、全くタイプの違うものを選びきれず、結局両方トライ。蝶ネクタイのような形の左側は「Omenasarvis(オメナサルヴィス)」(2,30ユーロ)。バターの香りが漂うサクサクのパイ生地に、厚切りりんごのコンポートが包まれていました。りんごの自然な甘さと少しの酸味が残り、バターの塩気が香る生地とも相性ばっちりです。
一方の右側は「Omenapiirakka(オメナピーラッカ)」(2,40ユーロ)。直訳すると「りんごパイ」となりますが、これは一般的な秋の家庭のデザートでもあります。ベーシックな安定の味はシナモンがポイント。角切りりんごたっぷりのフィリングが温かみのある味に変身します。
そして、お持ち帰りで楽しんだのが今季イチオシとおすすめされた「Omenanyytti(オメナニューッティ)」(3,50ユーロ)。りんご半分をバターたっぷりの生地で包み焼きしてあります。丸くてかわいい見た目はもちろん、食感も秋のりんごそのものを食べているようなフレッシュ感が。ベーカリー秘伝のレシピというだけあり、パイ生地はバターたっぷりなのに全くしつこくありません。温めるとりんごと生地もさらに馴染んで酸味が弱まり、甘い秋の味が口いっぱいに広がります。
そのままで食べても、飲んでもおいしい秋の国産りんご。老舗のレシピは、りんごそのもののおいしさをそのままに、2倍も3倍も楽しめる味ばかりでした。
Kanniston Leipomo(カンニストン・レイポモ)
Kankurinkatu 6, 00150 Helsinki FINLAND
tel. +358-10 5489400
営業時間/7:30~18:00 土曜8:00~14:00
定休日/日曜
http://kannistonleipomo.fi
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歌野嘉子(うたのよしこ)●留学、現地旅行会社勤務を経て、ヘルシンキにてコーディネート事務所を主宰。個人旅行、ウェディング、各種メディアコーディネートのほか、デザインアパートメントホテルを運営。美味しい食事とお酒、美しい器があればほかにはなにも要らない!
http://www.officeutano.fi