特集 2015/11/26(木)
世界のおやつ from San Francisco/田丸 紀子

アメリカ南部で見つけたソウルデザート「バニラウエハース・ケーキ」

バニラウエハースというとバニラアイスに添えられている長細いお菓子を想像しますが、アメリカの特に南部(フロリダ、ジョージア、アラバマ州など右下の地域)ではおなじみのケーキのこと。簡単ですごくおいしいのに日本ではまだあまり知られてない! ということでレポートしました。

バニラウエハース・ケーキという名前の由来は「Nilla wafers」というバニラ風味のビスケットを主材料に使っているから。このビスケットは1960年代に誕生して以来アメリカ中どこでも手に入る国民的お 菓子。味は日本で市販されているナビスコ「バタークッキー」によく似ています。

「Nilla wafers」を粉状にして他の材料と混ぜるだけ。小麦粉、バター、ベーキングパウダーなし、コツいらず。これが驚くなかれ、リッチな味わい、中はしっとりで外はカリカリで、よくできているんです。

フロリダ州在住で料理上手として地元で知られるジョセフィーンのレシピは秀逸。彼女のひいおばあちゃんから4代にわたって受け継がれた完ぺきなバランスのレシピは家族に愛される特別なもの。「夫や2人の息子たちの誕生日、親戚が集まるサンクスギビング、クリスマスには必ず作るのよ。みんな本当に大好きだから」。デコレーションなどせず、シンプルに味わうのがジョセフィーン流。

こちらがそのレシピ。ボウルひとつと計量カップでできてしまう手軽さ。「必要なものはビスケットに含まれているから、使わない手はないのよ」とジョセフィーン。写真右はバント・パンと呼ばれるケーキ型でこちらも代々使われてきたもの。それではさっそく、ジョセフィーン流「バニラウエハース・ケーキ」のレシピをご紹介します。

◎材料(直径26cmのバント・パン型1個分〉
バニラウエハース 1箱(340g)
卵 4個
砂糖 1と2/3~2カップ(400~480ml)
ココナッツフレーク 1カップ(240ml)
ピーカンナッツ(またはくるみ) 1カップ(240ml)
牛乳 1/2カップ(120ml)
 
◎作り方
1.バニラウエハースを保存袋に入れ、上からめん棒を転がして細かくつぶす。ピーカンナッツを細かく刻む。
2.ボウルに卵を溶き入れ、全ての材料を混ぜ合わせたら、バターを塗った型に入れる。
3.175℃に余熱したオーブンで約1時間焼く。

こちらはアメリカ南部料理のレシピ本。中でも「Sylvia’s Family Soul Food Cookbook」(右上)はジョセフィーンもおすすめのベストセラーの一冊。アメリカ南部の歴史を紐解くとアフリカ系アメリカ人のたいへんな時代がありました。でもこの料理本を見ると、彼らのおいしいものへの情熱、おいしいデザートがいつも家族をハッピーにしていたことがわかります。たいへんな時代を生きたママたちが家族を思って手軽においしくできるように工夫を重ねたデザートには、強くあたたかいソウルがあり、今も作り続けられる変わらない絶対的なおいしさがあるのだと確信しました。

  • 田丸 紀子(たまる のりこ)●フリーランスエディター&ライター。アパレルメーカーでの勤務を経て出版社へ。女性ライフスタイル誌、料理雑誌、フードドキュメンタリー書籍な どの編集を担当。2013年よりアメリカ・ベイエリア、フロリダ在住。朝食は焼き菓子かアイスクリームが定番。

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