特集 2014/8/12(火)
沖縄コンフォート・カフェ file.4 「ハコニワ」

やんばるに佇む古民家カフェで家庭料理に舌鼓!

沖縄の夏はコンクリートジャングルに囲まれた都会に比べ、意外にも涼しい。木陰に入ると心地よい風がふき、汗を拭ってくれる。ちょっと腰を下ろして鳥のさえずりや蝉の鳴く声を聞いていると、幼い頃に過ごした夏休みを思い出す。そんな都会の喧噪を忘れられるのが沖縄県北部。地元の人たちは“山原(やんばる)地区”と呼ぶ。そこで、沖縄の惣菜をおしゃれに味わえるカフェを見つけた。古民家を改装した「Cafe ハコニワ」だ。

そんな古民家カフェ「ハコニワ」の人気メニューは、「本日のハコニワプレート」。この日の内容は、鶏手羽の揚げ漬け、セロリとリンゴのサラダ、島豆腐のねぎ塩タレ、紅芋のマッシュサラダ、モウイ(ウリ科の野菜)とオクラの和え物。地元で採れる野菜を中心に、かおりさんが幼い頃から親しんできた素朴な惣菜が盛り合わされている。古代米と呼ばれる黒米を一緒に炊き込んだご飯も、沖縄ならではの一品。ドリンクとデザートがついて¥900という値段もうれしい。

ティータイムに訪れるなら、ケーキセットがおすすめだ。しっとりとしたビターチョコの味わいがやみつきになる「チョコブラウニー」は、ドリンクとセットで¥700。それぞれの料理が「焼物(やちむん)」と呼ばれる沖縄の器に盛られているのもまた趣きがある。もともと沖縄の器が好きだったかおりさんが、料理に合い、普段使いできる皿をメインに集めたもので、今では店舗でも販売している。

「沖縄の器には個性的な絵柄が描かれているものも多いのですが、ここでは料理を引き立てるシンプルなデザインの器を中心に使っています。たとえば自分で器を買うときに、どのサイズやデザインが自宅のテーブルに合うのかを見極めるのって難しいですよね? ですから、まずはでやちむんの器で食事してもらい、気に入ったものをおみやげに買えるようにと器の販売もしています」。実は、かおりさんのご主人はやちむん職人。名護で「室生窯」という工房を営み、暮らしに寄り添った器を制作している。
「夫に作ってもらうときは、カフェで使う側の意見を伝え、使いやすい大きさや形を追求してもらいます。もちろんひとつの窯だけでなく、いろんな作家さんの器をコーディネイトして食卓を彩るのも楽しい」とか。
 
「何かで自分を表現したかった」と、話すかおりさん。得意な料理、大好きな器とインテリア、そしてお気に入りの音楽で演出したこの空間が訪れる人を惹きつけ、今では沖縄にくるたびに「ハコニワ」を訪れる県外の常連客も多いそう。
「この空間を気に入って下さるお客様とは、感覚が似ていて話も合うんです。時にはお手紙をいただくことも。それが何よりの励みです」。
 
初めて訪れてもまるで親戚の家に遊びに来たような温もりを感じ、居心地のよさと沖縄らしいゆったりした時間を感じられる場所。沖縄北部のやんばるエリアを訪れることがあったら、是非足を運んでほしい。

  • Cafe ハコニワ
    国頭郡本部町字伊豆味2566
    tel. 0980-47-6717
    営業時間/11:30~17:30
    定休日/水曜、木曜

  • OKINAWAナビゲーター
    松崎紀子●神奈川県川崎市出身。2000年に沖縄へ移住。県内外の雑誌編集や企業販促物、WEB、新聞など様々な媒体のデザイン、企画、編集、文章執筆などの分野に関わるフリーランサー。2013年、那覇市楚辺にコワーキングカフェ「Community & Coworking Cafe coil」をオープン。対面で伝える情報の発信やファン作りを目的に、多様な講座やワークショップをプロデュース。3人の子持ち。働くママの可能性を信じて日々奮闘中。「Community & Cowkirng Cafe coil」 http://cafecoil-okinawa.com

3 / 3
1 2 3

photo : Chika Fujii  text : Noriko Matsuzaki

MORE TOPICS

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

ELLE PR STORIES

注目ブランドをもっと見る

CONNECT WITH ELLE

グルメ・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト