特集 2014/8/12(火)
沖縄コンフォート・カフェ file.4 「ハコニワ」

やんばるに佇む古民家カフェで家庭料理に舌鼓!

沖縄の夏はコンクリートジャングルに囲まれた都会に比べ、意外にも涼しい。木陰に入ると心地よい風がふき、汗を拭ってくれる。ちょっと腰を下ろして鳥のさえずりや蝉の鳴く声を聞いていると、幼い頃に過ごした夏休みを思い出す。そんな都会の喧噪を忘れられるのが沖縄県北部。地元の人たちは“山原(やんばる)地区”と呼ぶ。そこで、沖縄の惣菜をおしゃれに味わえるカフェを見つけた。古民家を改装した「Cafe ハコニワ」だ。

この素敵なカフェを営むのが、こちらの女性、谷口かおりさん。沖縄にある焼物やガラスなどの工芸品を扱う店で働いた後、東京のカフェで5年。その時の経験から、自分も沖縄でカフェが開きたいと地元に戻ったそう。

「その頃外人住宅を改装してカフェにしているお店はいくつかあったのですが、自分らしい店を開くなら沖縄北部に点在する古民家を改装してカフェにしたいと思いました」。とはいえ、物件探しにはかなりの時間がかかった。
「不動産屋にお願いするのではなく、自分の足で探しまわりました。これだ! と思う空き家に巡り会ったら、近所の人に大家さんを教えてもらって直談判。もちろん断られることの方が多かった」と話す。それでも諦めずに約1年の歳月をかけて探し、めぐりあったのが、今のこの場所。
「最初は通り過ぎたんです。でもなんだか気になるな、と思って引き返したら、奥に古民家が見えて……。あ、もうここだ! と直感しました。最初は断られましたが、何度も思いを伝えてようやくOKをいただいたんです」。この場所には、かおりさんが見込んだ通り、心をつかむ魅力にあふれている。

沖縄古民家の特徴ともいえる大きな間口の縁側、その前に広がる緑豊かな庭。山の中腹で木々に守られるようにして建つこの古民家に、樹木が美しい陰を落とす。かつては、この縁側に座って庭を眺めながら、お茶を飲みながらゆっくり過ごしたのだろうか、と過去への思いがよぎる。

内装は、プロの手を借りなければ出来ないところ以外は、当時一緒に共同経営していた友人とともに自らの手でリフォームした。
「やり方を習って自分たちで壁を塗ったり、釘を打ったり……。とても楽しい時間でした」と笑う。だからこそ、あちらこちらに“手をかけた温もり”が感じられるのだ。新しい物、古い物を入り混ぜた椅子も、空間とマッチしていて違和感がない。
 
>>次のページでは、人気カフェのプレート料理を紹介

  • Cafe ハコニワ
    国頭郡本部町字伊豆味2566
    tel. 0980-47-6717
    営業時間/11:30~17:30
    定休日/水曜、木曜

  • OKINAWAナビゲーター
    松崎紀子●神奈川県川崎市出身。2000年に沖縄へ移住。県内外の雑誌編集や企業販促物、WEB、新聞など様々な媒体のデザイン、企画、編集、文章執筆などの分野に関わるフリーランサー。2013年、那覇市楚辺にコワーキングカフェ「Community & Coworking Cafe coil」をオープン。対面で伝える情報の発信やファン作りを目的に、多様な講座やワークショップをプロデュース。3人の子持ち。働くママの可能性を信じて日々奮闘中。「Community & Cowkirng Cafe coil」 http://cafecoil-okinawa.com

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photo : Chika Fujii  text : Noriko Matsuzaki

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