特集 2015/5/1(金)
「ニュー・ノルディック・キュイジーヌ」を堪能するイベントのホット・リポート

デンマークから来日した「Kadeau」のシェフを直撃!

デンマーク出身のフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマンが主催するイベント「DAC-DANISH ART&CULTURE WEEK」。デンマークの食文化、芸術、ライフスタイルをフューチャーするイベントで、今春には第3回目が開催された。注目はこのためにデンマークより招聘された話題のレストラン「Kadeau(カドー)」。ニコライ・ノルガードシェフのインタビューをお届けする。

2011年に英「世界のベストレストラン50」で1位を獲得して以来、今なお世界中のグルマンたちが熱い視線を注ぐ「noma」をきっかけに、「ニュー・ノルディック・キュイジーヌ」(新北欧料理)の“聖地”となったデンマークの首都・コペンハーゲン。じゃがいも、肉、チーズなどをシンプルに調理する従来の北欧料理とは全く異なり、「ニュー・ノルディック・キュイジーヌ」はフレッシュな野菜やハーブ、きのこなどをふんだんに使った美しく軽やかな料理が特徴。シェフたちが目指すのは自国の歴史や文化を活かしながらその風土、自然から生まれる恵みを皿の上に表現することだという。

デンマーク出身、東京在住。今や世界に知られるフラワーアーティストとして活躍する、ニコライ・バーグマン氏(中央)が主催するイベント。今回のために来日した「Kadeau」(カドー)のヘッドシェフ、ニコライ・ノルガード(右)を直撃!

コペンハーゲンから船で7時間、バルト海に浮かぶボーンホルム島出身のニコライ。自然豊かな島の食材を活かしたいと2007年に島内でレストランを始め、2011年にはコペンハーゲンに「Kadeau」をオープン。「Kadeau」は開店以来「noma」のシェフ、レネ・レゼッピなど多くの食通の支持を集め、2年連続でミシュランの星を獲得するコペンハーゲンでも最旬の気鋭店だ。

Q1:初来日の感想は?

「和食や日本の食材からたくさんのインスピレーションを受けているよ。新鮮な食材を使うこと、食材への敬意が感じられること、旬を大切にすること……和食の料理人の姿勢には自分たちとの共通点を感じる。自分が「Kadeau」でボーンホルム島の食材をたっぷり使っているように、今回のイベントでは日本でしか手に入らないものや旬の食材を使って料理を作ったんだ。イベントでの料理は難しかったかって? とんでもない!すごく楽しかったよ。築地では食材の豊富さに興奮してしまったほど。本当にうらやましい!」

「春野菜のサラダ ムール貝、オイスター、シトラスと大根のヴィネグレットソース」。※写真の料理はすべてイベントで提供したもの。

Q2:料理を通して伝えたいこと、実現したいことは?

「自然がもたらしてくれるものを皿の上に表現したい。自分が生まれ育ったボーンホルム島は、温暖でデンマークのなかでも食材に恵まれているエリア。島の新鮮な食材を使って、現代の料理法と昔ながらの伝統技術を組み合わせて料理にしたいんだ。ピクルスやシロップなど、島に伝わる保存食を新しい形で活かして料理にするのも「Kadeau」の特徴。ひと夏で4tくらいの野菜や果物を加工して、食材の少ない冬に備えている。伝統技術といえば日本の醤油や味噌も興味深い調味料。「Kadeau」の料理に活用することもあるよ。今回のイベントでも日本の調味料を自分たちらしく活かせたと思う」

「桜鱒と雲丹 ほうれん草 焦がしバター、ジンジャー、柚子しょうゆ風味」

Q3:世界を席巻する北欧ムーブメントについてどう思う?

「食のトレンドも時代によって移り変わる。かつて各国から料理人がフランス、イタリア、スペインへと料理を学びに行き、帰国して自国の食材を活かした新しい料理を作っていったように、今は北欧がトレンドの中心にあることをとても光栄に思うよ。コペンハーゲンにも世界からたくさんの料理人が集まっている。「Kadeau」にいた日本人の春田理宏君(現在、白金のレストラン「Tirpse」のシェフ)もそのひとり。フレンチを学んできた彼なら日本の食材と北欧の考え方、フレンチの技術をうまく融合させられるんじゃないかな」

「鴨のグリル フライドビーンズ&ポテト 芽オニオンのピクルス 黒ニンニクとブラックカラント 発酵ベリー 鴨のブイヨンとカモミール」

Q4:これからやってみたいことは?

「これからもボーンホルム島の食材や昔ながらの知恵を活かした保存食など、今までその魅力が忘れ去られていたものに現代の技術を組み合わせておいしい料理を作り続けたい。実はコペンハーゲンにもう1店舗をオープンさせようと思っているんだ。今より小さくて少人数のゲストをもてなす店にする予定だよ。あとは、日本にもぜひまた来たいな。日本は人も文化も食材も素晴らしい。時間に正確で段取りもよく、物事が万事順調に進んでいくことに驚いたよ(笑)」

text:Naoko Monzen  Special thanks : Nicolai Bergmann 

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