娘、ナタリーが語る、「ニットの女王」ソニア・リキエルの素顔
2016/11/19(土)
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「ソニア リキエル」1990年春夏コレクション。カラフルで動きやすいジャージー素材のパンツルックに身を包み、朗らかに歩くモデルたちは、女性の自立と自由の象徴だった。

母のファッションは、何よりもまず”女性の自立”のため

ELLE : あなたのお気に入りの服はなんですか?
 
ナタリー : 私の結婚式のために母が作ってくれたカーディガンです。ハートと夫の故郷イギリスと、私の祖国、フランスの国旗が刺繍してあるの。 ほかにも、ナタリーと書かれたセーターやシースルードレスなど、母の洋服で私が好きなものはたくさんあるわ。彼女は常に、”快適さ”と”セクシー”という相容れないふたつのものを両立し得るようにしていました。以前、彼女は、「快適さとは形を崩すこと、そしてセクシーさとは大げさにデザインすることよ」と言っていました。母は女性たちを官能的で、同時にクールにすることができた。ちょうど古くからの慣習が女性たちに大変革を起こしたときに、彼女は洋服の革命を起こしたの。彼女のファッションは、何よりもまず”女性の自立”のために考えられていたんです。着替える必要なく、朝から晩まで着ることができるドレスや、子どもや男性の手を掴んでおくことができるように斜めにかけられるバッグを、彼女は生み出したの。自由という信念のもとに。
 
サロメ・リキエル (ナタリーの娘): 祖母はいつも私と姉に、旅行中に感じた色や私たちが好きな服をデッサンしたものを、自分のところへもってくるように要求していたわ。ある日私は、女性のボディラインを祖母のためにデッサンしたんですが、彼女はそれをセーターの上に複写してくれたんです。本当にすごかった! 小さいころには、ファッションショーのフィナーレでモデルたちと一緒に挨拶する際、祖母は私たちの手を引いて連れて行ってくれたの。
 
 

モンパルナス墓地で行われたソニア・リキエルの葬儀。前列左がサロメ・リキエル、左から4番目がナタリー・リキエル。

ELLE : あなたが書く本について、彼女は何と言っていましたか?
 
ナタリー : 私が書いた最初の本『私の娘、あなたは大人の女性になるでしょう』のなかで、私は母のことを語っていて、彼女の反応がとても心配でした。だから、出版するギリギリになって私は母に読ませたの。意外にも、彼女は私が母のことを語っているのがかなりうれしかったみたい。でも彼女は読み終わった後、私にこう言いました。「唯一私が気に入らないのは、あなたが私よりも文章が上手だってこと!」。彼女は私のことを誇りに思っていた――いま重要なのはそのこと。 

Photo: GETTY IMAGES  Interview: OLIVIA DE LAMBERTERIE

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