「人は人生を選べない、生きるだけ」
「人は人生を選べない、生きるだけ」/『星の旅人たち』
人が旅に出たくなるときはどんなときだろう。人生という名の道に迷い答えを見つけたいとき、その国の美しい風景や歴史に触れたいと思うとき、人それぞれ旅の目的は違う。『星の旅人たち』で描かれる旅は、旅は旅でも巡礼の旅。エルサレムやローマと並ぶキリスト教の3大聖地のひとつとして知られるサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼の途中で、不慮の死を遂げた息子ダニエル(エミリオ・エステヴェス)。息子は何を思い、何を考え旅に出たのか? その真意を確かめるため、父のトム(マーティン・シーン)はダニエルのバックパックを背に旅に出る。それは、ただひたすら歩くだけの旅だけれど、雄大な自然、出会う人々、その土地の料理……トムの目に映る旅の風景と出会いと体験は、観る人の旅心をくすぐるはず。
女子的シネマ名言は「人は人生を選べない、生きるだけ」。旅に出る前に息子のダニエルが父トムに言った一言。この言葉は人によって捉え方はさまざま。けれど、映画を観終わったときに自分なりの捉え方でその意味が心にしみわたる。
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『星の旅人たち』(The Way)
2010年
DVD ¥3,990 発売中
監督/エミリオ・エステヴェス
出演/マーティン・シーン、エミリオ・エステヴェス、デボラ・カーラ・アンガー
販売元/アルバトロス
公式サイト/http://hoshino-tabibito.com/pc/
問い合わせ先/アルバトロス
http://www.albatros-film.com/?page_id=12
text : Rie Shintani