フランス映画を変えた'80年代のセックス・シンボル
ベアトリス・ダル
『ベティ・ブルー』 ('86年)で一躍注目されたベアトリス・ダルが演じた女性像は、いわゆるダメンズの恋人の作家としての才能を信じ、なんとか世に出したいと思うあまり精神を病んでしまう。恋人の人生を変えてしまうほど強烈で、男の人生を振り回す性格は、新しい時代の女にみえた。ファッションが多様化したように、'80年代は個性もバラエティに富んでいたのだ。
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『ベティ・ブルー』('86)
中年男ゾルグが暮らす海辺のバンガローに転がり込んだベティ(ダル)。ベティはゾルグの小説の原稿を発見、出版しようとするがうまくいかず、次第に性格が破綻。セザール賞若手作品賞受賞。
文・選: 村上香住子(エッセイスト)
Photo: AFLO、GETTY IMAGES
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村上香住子
'85年から20年間、日本の出版社のパリ支局長として取材活動。パリの映画やファッション関係者と親しい。帰国後、エッセイ集出版。2011年から東日本復興支援アマ・プロジェクト設立。ジェーン・バーキンも支援。近著は『パリ・スタイル 大人のパリガイド』。 -
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