“フランスのバラ”と名高い国民的スーパースター
ソフィー・マルソー
物質的に恵まれたバブリーな時代になると、映画も手の込んだドラマよりは、現実性に舵を切るようになり、生身のリアルな女性像が求められるようになる。そこからボディコン・ブームが生まれた。
その時代の幕開けとなった映画が、『ラ・ブーム』 ('80年)だった。フランスの典型的な中産階級のリセエンヌ役で登場したソフィー・マルソーは、たちまち国民的アイドルになっていったが、映画の内容はありふれた思春期の若者群像だった。 『隣の女』 ('81年)にしても、引っ越し先の隣に、前に付き合った女が住んでいた、というストーリーで、ファニー・アルダンが現実に起きそうなドラマの主婦役を演じている。
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『ラ・ブーム』('80)
リセエンヌのヴィック(マルソー)は、クラスの仲間たちとパーティを計画。付き合っていた男友達が上級生と会ったと知り、ほかの男友達にキスを。400万人動員の空前のヒット作。
文・選: 村上香住子(エッセイスト)
Photo: AFLO、GETTY IMAGES
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村上香住子
'85年から20年間、日本の出版社のパリ支局長として取材活動。パリの映画やファッション関係者と親しい。帰国後、エッセイ集出版。2011年から東日本復興支援アマ・プロジェクト設立。ジェーン・バーキンも支援。近著は『パリ・スタイル 大人のパリガイド』。 -
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