時効が壁に! ジェームズ・トバック監督、性的暴行事件の起訴を逃れる
レイチェル・マクアダムスやセルマ・ブレアからセクハラを告発されていた映画監督のジェームズ・トバック。起訴されないことが明らかになった。
昨年秋に多くの女性から性的暴行を告発されたジェームズ・トバック監督。新聞「ロサンゼルスタイムズ」によるとなんと被害者の数は300人以上! その多くはオーディションだと称して暴行されたという。レイチェル・マクアダムスやセルマ・ブレアもオーディションのときにセクハラを受けたと告白していた。
その中でロサンゼルス警察やビバリーヒルズ警察に届けられた5件について捜査が進められてきたけれど、ロサンゼルス郡地区検事局は起訴しないことを決定。理由はすでに出訴期限を過ぎているから。つまり時効になってしまっているので起訴できないという。
5件のうち、1件は1978年に起きたもの。トバックと一緒に食事に出かけた女性が、壁に押し付けられセックスを求められたという。彼女が断ると家に帰るまでの車の中でトバック監督は下半身を露出して嫌がらせに及んだ。もう2人の女性は1980年に同じように性行為を求められたと主張している。また他の女性が1993年や2008年に同じように暴行されたと警察に報告している。最初の2件に比べれば新しいものの、これも出訴期限を過ぎているという。
セクハラ撲滅運動「Me Too」や「Time's Up」のキャンペーンの中で多くの女性が過去の性的暴行について告発できるように。でも法的な措置をとるためには時効が壁になることが今回の例で明らかになった。時効の問題はアメリカだけでなく日本にも存在する。今回の決定を受けて、ハリウッドやアメリカでどのような議論が生まれるのか、注目したい。
text: Yoko Nagasaka