セクハラ告発者に罰金!? クリッシー・テイゲン、元体操選手を支援
ハリウッドからアメリカ社会全体へと広がるセクハラ撲滅の動き。体操界でも告発の声が上がった。モデルのクリッシー・テイゲンが声をあげた選手に支援のメッセージを送っている。
昨年秋に報じられた、アメリカ体操界での性的虐待。元チームドクターのラリー・ナッサーが130人以上の女性にセクハラをしてきたことが発覚! ロンドンオリンピックやリオオリンピックで金メダルを獲得したガブリエル・ダグラスを始め、アリー・レイズマン、シモーネ・バイルズたちが告発の声をあげた。ナッサーは10人の少女に対するわいせつ行為と児童ポルノを所有していた罪で、すでに有罪判決を受けている。
彼の量刑を決める審理が今週初めにスタート。被害を受けた女性たちがセクハラ行為について法廷で証言をしている。でも告発者の1人で金メダリストのマッケイラ・マロニーには、証言すると罰金を科せられる可能性が浮上!
実は2016年、ナッサーの性的虐待についてアメリカ体操連盟と示談が成立しているマッケイラ。示談には秘密保持契約も含まれているので、法廷で証言をすると10万ドル(約1100万円)の罰金が課せられてしまうそう。昨年マッケンナは13歳から20歳まで虐待を受けていたことを告白、さらに「体操連盟から、ナッサーの虐待の秘密保持契約を無理やり結ばされた」とも語っている。
これに支援の手を差し伸べたのがモデルのクリッシー・テイゲン。「一番大切なのは戦うことよ。秘密保持契約のせいで140人が告訴しているこの怪物の行為について話せないのなら、マッケイラ、私に罰金を払わせて」とツイート。マッケイラはこれに対して声明を発表。「私は今、ソーシャルメディアを使っていないけれど、使っていればよかったと思う。あなたの寛大な申し出にとてもショックを受けています。あなたのメッセージが私たちに大きな希望をもたらしてくれたことを伝えたい。まったく知り合いではない人、ずっと尊敬していた強い女性が私の味方をしてくれるのは、言葉では言えないくらいの喜びです」「あなたのような人のおかげで物事は変化し始めています」とコメント。ちなみに体操連盟はマッケンナの告発や証言について「罰金は課さない」と声明を発表している。
The entire principle of this should be fought - an NDA to stay quiet about this serial monster with over 140 accusers, but I would be absolutely honored to pay this fine for you, McKayla. pic.twitter.com/lsBEgEqZpD
— christine teigen (@chrissyteigen) 2018年1月16日
セクハラ被害者を支援する基金「Time's Up」の設立を始め、セクハラ撲滅のための連帯が具体的な形になっているアメリカ。この動きがこれからどのような進化を見せるのか、注目したい。
text: Yoko Nagasaka